Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

「社会人は年間12万円で学位が取得できます」愛知文教大学の取り組み

high190です。
愛知文教大学では、社会人向けの学費優遇措置を打ち出していて、月1万円で正課学生になることができるそうです。


1カ月1万円で社会人は大学で学べます――。愛知文教大学(愛知県小牧市)のこんな優遇措置が好評だ。格安の学費に、「大卒」や資格の取得を狙う人たちだけでなく、カルチャーセンターに飽き足らず一段上の生涯学習を求める人たちも引きつけているようだ。
この措置は、40歳以上が対象。入試に筆記はなく、面接で合否が決まる。入学金は免除され、一般の学生の場合は年間約110万円かかる学費が12万円で済む。
同大は1998年に「社会人学生を積極的に受け入れる」という条件で文部科学省に設立を認可された経緯がある。ところが、小牧市郊外で通学が不便なこともあり、当初は社会人がほとんど集まらなかった。
そこで2005年度に年間6万円の社会人優遇措置を始めた。すると毎年20人前後の応募があり、現在は社会人が全学生330人のうち68人を占めるまでになった。
さすがに「6万円は安すぎる」という声が学内から出て、今年度からは12万円に上げたが、それでもカルチャーセンター並みだ。一般学生と同様、憲法や外国語、日本文学史など4年間で124単位を取得すると、「大学卒業」が得られる。
「キャリアアップに」「教員免許のため」「生涯学習として」……。40代から70代までの社会人学生の目的は様々。昨年定年退職し、現在2年生の寺島正夫さん(61)は「もう一度、日本文学を深く学び直したかった」と話す。
学生集めの苦肉の策とも言えるが、広報担当の川田健准教授は、社会人学生について「若い学生の面倒を見てくれ、真剣に勉強する姿が刺激にもなっている」と、思わぬ教育的効果があったと明かした。
男子学生(20)は、教室で授業をさぼっていると、社会人の同級生から「勉強しないともったいないよ」とよく「説教」をされるという。「社会人は人一倍勉強していて、親に『勉強しなさい』と言われるより、説得力があります」
愛知県の大学数は51で、東京都、大阪府に次いで全国で3番目に多い激戦区。川田准教授は「うちのような有名でない大学にとって、社会人が集まってくれるのはありがたい。『世代間交流ができる大学』として一つの特色にもつながる」と言う。来年度の学生は年末に募る予定だ。

確かに在学生への教育効果など、社会人学生が増えることによって大学改革に繋げることもできるでしょう。しかし、「大学を考える」のkangeさんも指摘されていますが、一般学生は不満に思っていないのでしょうか。10分の1ではあまりにも差額が大きすぎます。また、収容定員が50%を下回ると私立大学等経常費補助金・一般補助(いわゆる人数系の補助金)が出なくなりますので、在籍者を水増しするためにやっているのでは?という疑問を抱かせないようにしなければいけません。
教育面でのメリットがあることは分かりますが、個人的にはせめて半額ぐらいが減免金額として妥当なのではないかと思います。