high190です。
2020年はコロナ禍で大学教育も翻弄された一年だったですね。オンライン教育、感染症対策、社会にとっての大学の価値など、色々なものが問われていると思います。そのことにも関連しますが、設置形態別にガバナンス・コードの策定が進んでいます。
設置形態別のガバナンス・コード
- 国立大学ガバナンス・コード(内閣府・文部科学省・国立大学協会)
- 私立大学ガバナンス・コード(第1版)(日本私立大学連盟)
- 私立大学版ガバナンス・コード<第1版>(日本私立大学協会)
- 公立大学の将来構想ガバナンス・モデルが描く未来マップ(公立大学協会)
- 私立大学・短期大学版 ガバナンス・コード【第1版】(日本私立短期大学協会)
諸外国のガバナンス・コード
- The Higher Education Code of Governance(UK, Committee of University Chairs, 2020)
- Scottish Code of Good Higher Education Governance(Scotland, 2017)
- The IUA Code of Governance for Irish Universities 2019(Irish Universities Association, 2019)
- Legislative Changes Affecting the Governance of Australian Universities(The University Chancellors Council (UCC))
- Governance and quality guidelines in Higher Education(OECD, 2010)
現時点で公表されている大学の一覧をリスト化しました。今後も順次更新します。この記事の公表時点(2020/12/30)では、国立大学法人で公表の事例はまだありません。そもそも国立大学ガバナンス・コードが公表されたのが2020年3月30日ですから、今年度内に策定されて順次公表されると思います。
※更新情報 私立大学を日本私立大学協会準拠、日本私立大学連盟準拠、大学監査協会準拠に分類。早稲田大学を追加(2022/02/04)
国立大学
私立大学
- 日本私立大学協会準拠
- 北海道医療大学
- 北海道科学大学
- 北翔大学
- 盛岡大学
- 岩手医科大学
- 東北工業大学
- 奥羽大学
- 医療創生大学
- 茨城キリスト教大学
- 駿河台大学
- 神田外語大学
- 学校法人東成学園(昭和音楽大学)
- 大妻女子大学
- 淑徳大学
- 明治薬科大学
- 国士舘大学
- 東京理科大学
- 東京薬科大学
- 学校法人東京医科大学(2021/10/27追加)
- 藤村学園(東京女子体育大学)
- 麻布大学
- 身延山大学
- 愛知みずほ大学
- 名古屋芸術大学
- 名古屋外国語大学・名古屋学芸大学(学校法人中西学園)(2021/11/01追加)
- 岡崎女子大学
- 愛知工業大学
- 名城大学
- 岐阜聖徳学園大学(学校法人聖徳学園)(2021/11/02追加)
- 金沢工業大学
- 新潟国際情報大学
- 幾央大学
- 京都外国語大学
- 岡山理科大学・倉敷芸術科学大学・千葉科学大学(学校法人加計学園)(2021/11/02追加)
- 関西医療大学
- 常翔学園(大阪工業大学・摂南大学・広島国際大学)
- 大阪電気通信大学
- 大阪青山大学
- 四天王寺大学
- 大阪商業大学
- 藍野大学
- 京都ノートルダム女子大学
- 神戸学院大学
- 行吉学園(神戸女子大学)
- 学校法人宝塚大学(宝塚大学)(2021/10/11追加)
- 神戸薬科大学
- 岡山学院大学
- くらしき作陽大学
- 山口学芸大学
- 久留米工業大学
- 福岡工業大学
- 聖マリア学院大学
- 順正学園(吉備国際大学・九州保健福祉大学)
- 九州情報大学
- 学校法人文理学園(日本文理大学)(2022/01/13追加)
- 学校法人南九州学園(南九州大学)
- 尚絅大学
- 日本私立大学連盟準拠
- 東北学院大学(学校法人東北学院)(2021/10/28追加)
- 南山大学
- 皇學館大学(学校法人皇學館)(2021/11/12追加)
- 大谷大学(2021/10/26追加)
- 京都産業大学(2021/11/11追加)
- 早稲田大学(2022/02/04)
- 大学監査協会準拠
- 学校法人北里研究所(北里大学)(2021/06/24追加)
私立大学は、日本私立大学協会と日本私立大学連盟がそれぞれにコードを公表しています。その比較をしたブログ記事がありますので、ご紹介しておきます。
www.daigaku23.com
また、2021年度からガバナンス・コードの遵守状況調査を行う大学が出てきています。公表している大学をまとめているブログを御紹介します。
www.daigaku23.com
さて、ここで別の視点で考えてみます。大学のガバナンスは何のためにあるのでしょうか。
色々なステークホルダーがいますが、究極的には大学で教育を今受けている人、今後受ける人にとって適切な教育研究体制を取る。そのために適切な管理運営を行う。教育研究と質保証の両輪を適切に実行するための統治機構がガバナンスだと思います。もちろん設置形態、大学の規模・学部等の分野によってあるべき姿は異なると思います。
ガバナンス・コードに一定の役割があるとすれば、各大学が自律的に自分たちのガバナンスを整えるための仕組みとして機能するか否かでしょう。今の大学には認証評価、内部質保証など評価基準がたくさんあります。どのように大学運営を設計していくのか、中長期計画なども含めて、自分たちのあり様を自分たちの手で描く。そのためのガバナンス・コードであって欲しいと思います。
【参考情報】
- Good Governance guidelines and Quality Assurance: two drivers on one wheel?(出典:International Network for Quality Assurance Agencies)
上記URLのサマリーを抜粋
高等教育機関に対する自律性と信頼性のバランスから、高等教育ガバナンスは 「21世紀の重要な政策」 となると考えられる(ケネディ2003)。ここでは、2つの主要なトレンドに焦点を当てました。
- グッド・ガバナンス・ガイドラインの策定
- 品質認定と監査におけるガバナンスの問題の包含
前者は、高等教育システムの管理ミスや変革プロセスの際の非強制的な対応として起草されることが多いが、後者は、教育機関内での改善と 「質の高い文化」 の創造に重点を置いている。レビューされたガイドラインの特定されたキーポイントを簡単に紹介した後、品質保証とグッド・ガバナンス・ガイドラインによる制度ガバナンスのアプローチの違いを評価する。グッド・ガバナンス・ガイドラインは高等教育ガバナンスの唯一の解決策ではないかもしれないが、相互に合意した説明責任の仕組みを自発的に取り入れた場合に、機関や個人が最も効果的に機能することに留意すべきであると論じられている。