high190です。
東京大学では「学生生活実態調査」というものを毎年行っているようなのですが、その中に「具体的記述」という項目があります。
設問では応えきれない個別の相談事項です。ここには現在の東大生が抱える悩みがたくさん載っていて面白かったので、一部抜粋してご紹介したいと思います。
- 大学生活で困っていることや心配していることがありましたら、具体的に記入してください。(出典:東京大学学内広報No.1393 2009/12/04)
個別の相談事項でも結構同じような内容があったりするんですが、
教務課の対応が不親切。雰囲気が相談しづらい。
自分の単位取得状況をいつでも簡単に調べられるようにしてほしい。せっかくweb上で履習登録ができるシステムがあるのに、成績を見られる期間が非常に短い。卒業をひかえる時期に自分が本当に単位が足りるかどうかは誰もが不安だと思うので、前学期までに自分が取得した単位数を、キャンパス・スクエア(?)で調べられるようにしてほしい。
アドミニ棟の事務の人の対応が冷たい。
教務課の職員の対応が機械的で人間味を感じない。マニュアル通りの対応しかできておらず、お役所仕事の様な冷徹ささえ感じるので改善してもらいたい。
教務課の営業時間が短い。授業がフルに入っている日のために朝もあけてほしい。
教務課は態度を改めなさい。
教務課(女子部)の人の学生に対しての態度が少し怖いです。もう少し普通にしてほしいです。と、よく耳にします。
教務課の対応に対して、改善した方がいいと思っている学生がたくさんいることが分かります。
学生対応に関する学生の不満は、業務改善のチャンスと捉えて改善した方がいいと思います。
- (過去記事)「大学職員」から「ステューデント・コンシェルジュ」へ(2007/07/15)
また、東京大学ならでは、というか学生同士の気質も色々あるみたいです。
東大は他大と比べ、周りの学生の頭が良く、故に善くも悪くも勉強に気が抜けない。それが時に重いプレッシャーとして精神にのしかかってくる。自分には一人でそれを解決することは難しく、結果留年か休学する事態になってしまった。今は学生相談所を利用することである程度緩和されているが、単位のとり方、アドバイスを教務課から最初にもっとアドバイスしてもらえてればと今でも悔やむ。
単純に時間が足りな過ぎる。いくらあっても足りない。また、東大ということもあり、学問はもちろん芸術などその他の分野でも自分をはるかにしのぐ存在がいて、一時も気が休まらない(それが東大の美点でもあるのだが)。
学力の高い人が集うだけあって、学生同士のプレッシャーも相当なんですね。切磋琢磨しようと思う人と、そうでない人の差が出てしまいそうな気がします。
その他には学費負担についてのコメントもたくさんあります。
学費は半額免除になっていますが、それでも年間26万円+教科書代の負担は重すぎます。学費は仕方ないにしても、教科書は高価すぎて、4000円もする本を何冊も買うことはできず、興味のある講義も諦めざるを得ないのがつらいです。しかも、東大出版の本は、高い、つまらない、分かりにくいと悪評高い割に、教科書に指定され、買わされることになるのが納得できません。心配といえば、学費が上げられることです。半額免除がなくなれば、もう大学に残るのもつらいです。成績はそれなりにとっているので、大学の成績でも学費免除していただけると、バイトの負担も減って良いのですが、それはぜいたくですよね。
国立であるにもかかわらず学費が高すぎます。教科書代などを含めると相当の額となっており、生活の苦しい情況です。可能であれば値下げをお願い致します。
理系と文系の学費が同じというのはおかしい。文系はもっと学費が少なくていいはず。法科大学院の学費も高すぎる。
国立である以上、もう少し学費を安くしてほしい。私立と大きな差がないように感じられてしまう。
大学院、法科大学院などの授業料免除を拡充してほしい。経済状況が苦しい中でも大学院まで通い、学ぶ意欲のある生徒に対する援助はもう少し必要な気がする。年収による原則免除を学部から大学院にまで広げること等は必要ではないか。
学費に対してのコメントもたくさんあります。東京大学では親の年収が400万円以下の学生に対しての修学支援策を打ち出しています。
ただ、それだけではなく給付型の奨学金を増やすなどの対応が必要かもしれません。
このように、学生の声をまとめて公開するということはとてもいい取り組みだと思います。
学生を大学の中心に据えて、現状の問題点を把握し解決していくことも立派な大学改革です。