Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

関西学院大学の改革

high190です。
神戸新聞関西学院大学の改革に関する特集記事がありました。

大学全入時代を迎え、私立大学間の学生獲得競争が激化する中、関西学院大(西宮市)は2010年4月、10番目の学部として国際系学部を新設する。今年4月には西宮上ケ原キャンパスに人間福祉学部が誕生し、09年には聖和大と合併して教育学部を設置する。一方で、4月の初等部開校や、近隣の中学・高校との提携など一貫教育体制を拡充。関西圏にとどまらず、首都圏の有力校も見据え、伝統校の「上位争い」に攻勢をかける。(阪神総局・広畑千春)
二月十五日、西宮市の関西学院会館会議室で開かれた新学部設置会見。平松一夫学長は「現在の大学数は受験生の数に比べ多すぎる。ニーズに合わなければ淘汰(とうた)される」と語った。関学大のような伝統校でも、競争から振り落とされかねない危機感を吐露する一方で、攻めの姿勢を強調した。
今春、全国の私大で学部を新設するのは五十一大学の七十五学部。関西では、同志社が生命医科学部とスポーツ健康科学部を、立命館が薬学部と生命科学部を開設する。
文部科学省は〇一年、国公立大の独立行政法人化などを含む大学再編指針、いわゆる「遠山プラン」を出し、横並びの「護送船団方式」からの転換を鮮明にした。同省私大行政課は「学生数に応じて配分してきた助成金を国公立大と同様に、研究業績や教育内容で評価・配分することになり、私学にも危機感が生じた」と分析。「拡大する力がある大学は、基礎体力となる学生数と分野(学部など)を増やす動きが強まっている」と話す。
また、慶応が今春、大阪市内に社会人向けサテライトキャンパスなどを開設し、早稲田も大阪・阿倍野に同様の新拠点設置を検討するなど首都圏の有力私大が関西に“進出”する動きが活発になっている。予備校・コロンビア学院(神戸市)の永山宣鷹校長は「関学には、圧倒的なブランド力を持つ早慶の動きに対する危機感があるのでは」と指摘する。
学部拡大を横軸とするなら、一貫教育を柱とする縦軸の強化も進む。関学大の内部進学者数は現在約7%。これに対し、同志社、慶応はともに二割に上るという。平松学長は「一二年度には15%まで引き上げ、関学の幹を強く、太くしたい」と話す。
関西では立命館同志社関学に先立ち、〇六年度に小学校を新設。関大も一〇年度開校に向けて準備を進める。
一連の改革について、平松学長は「国際系学部新設で学部増はとりあえず一段落する。今後は、私学の顔である『理念』の維持のほか、研究や教育の質の強化が課題」と表情を引き締める。
コロンビア学院の永山校長は「全入時代だからこそ、受験生も保護者も、ブランド力を重視しており、一貫教育の需要は高い」としながらも「早慶や国公立大との競争の中で、就職という出口にどれだけ対応できるか。その実力こそが問われている」と話した。

関西学院大学は在学中に2つの学位を取得できるジョイントディグリー制度を活用したり、東京にサテライトキャンパスを設置したりと様々な面で大学改革を実施しています。

大学卒業時に2つの学位取得を可能に 関西学院大学のジョイント・ディグリー制度(2007/04/23)
サピアタワー・オープン後の様子(2007/06/07)

関西圏での競争も激化していますが、慶應義塾大学早稲田大学なども関西に進出することを決定しており、ドラスティックに改革をしなければ生き残れないという危機感があるのだと思います。こうしたニュースを目にすると、私自身は今の職場・職位でどういった改革を実践できるかを考えていく上でのモチベーションになります。

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