Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学職員が引き起こしたトラブルと内部統制の重要性

high190です。
仕事をしているとストレスがたまることもあります。なかなか決まらない方針、学生からのクレーム、残業などなど挙げていけばきりがありません。しかし、どんな仕事にもストレスはありますし、職業人としてストレスマネジメントに取り組むということも大切なことだと思います。
鹿児島大学の事務職員が大学構内で学生に暴行を加えたというニュースを目にしました。当時、職員は泥酔状態だったそうです。

鹿児島大学(吉田浩己学長)は13日、鹿児島市の同大構内で酔って学生に暴行を加えるなどした農学部の30代男性事務職員を12日付で諭旨解雇したと発表した。
同大によると、男性職員は昨年11月30日午後11時ごろ、農学部共通棟前で、実験のために研究室に戻ろうとしていた農学部の学生3人に「何しにきた、このクソ学生」などと因縁をつけ、学生の1人に対し、乗っていた自転車をけり上げ、ほおを平手で数回たたくなどした。男性職員は泥酔状態だった。
学生は頸椎(けいつい)ねんざと左耳裂傷のけが。止めに入った学生も服が裂けたり、携帯電話が壊れるなどした。男性職員は学外で酒を飲み、職場で寝ようとしていた。3人の学生とは12月10日に示談している。
同大が調査したところ、男性職員は過去にも5回、酔って暴れるなどのトラブルを起こしていたことなどから、処分を決めた。
前田芳實農学部長は「大学職員としてあるまじき反社会的行為を引き起こし、学生や教職員、市民のみなさまに深くおわびする。今回の事態を重く受け止め、二度と起きないよう職員の指導監督を徹底し、信頼回復に努力したい」としている。

学生に暴力を振るう時点で言語道断ですが、学外で飲酒して職場で就寝するつもりだったということは、職場での宿泊が常態化していたということになります。この方、これまで5度トラブルを起こしていたようですので弁解の余地はありませんが、大学側の対応としても十分だったとは言い切れないと思います。これ以前に何らかの対処をするべきではなかったでしょうか。
一度引き起こされた問題による信頼失墜を改善するには、長い時間をかけて信用を積み重ねるしかありません。そのためには日常から職員の勤務状況をチェックする必要がありますし、継続的な研修も大切です。
大学では職員が引き起こす諸種の問題について、危機管理の観点から改善に取り組んでこなかったのだと思います。内部監査部門を持つ大学が少ないこともこうした事実を裏付けるものです。

内部監査部門持つ大学、3校に1校どまり(2007/05/30)

最近の企業では社員のコンプライアンス意識を高めるために、様々な研修を実施しています。それだけ、風評での被害というものは経営に打撃を与えますし、ブランドイメージに大きく影響するものです。大学でもこういった問題に対応するための研修が必要なのではないかと思うのですが、他の大学ではこういったことに関する研修は実施されているのでしょうか。また、継続的に勤務状況をチェックするような体制をどのように作っているのでしょうか。とても気になるトピックです。

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