Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

総表現社会の中で大学職員はいかにして自分を表現するのか

high190です。
いきなりですが、北九州市立大学には人間的な魅力的あふれる食堂店長さんがいらっしゃるようです。

夢を描けない学生にエールを‐。小倉南区北方の北九州市立大学生協の食堂店長、森川知治さん(53)が、紆余(うよ)曲折があった自身の半生をつづった本「人生の方程式とジョーカーとスペードのA」を自費出版した。森川さんは「私の経験を通じ、将来に悩む学生たちに全力を尽くせば道は開けることを伝えたい」と話している。
福岡市出身の森川さんは早稲田大学を卒業後、就職した企業を3年で退社。コックやすし職人の修業を経て、1982年にオーストラリア・シドニーで当時は珍しかったすし専門店のシェフとなった。11年後に帰国したが、日豪の文化の違いからうつ病となり休養。05年から北九州市立大生協で食堂店長として、学生たちとの会話を楽しんでいる。
本は、食堂を利用する学生やその親向けに毎月発行する「ミール通信」に05年10月から昨年6月までに載せた文章をまとめた。やりたいことが見つからなかった大学生活、「おいしい」と思えない商品を売った食品会社の営業マン時代、生魚を食べる文化のないシドニーですし店を軌道に乗せるまでの苦労などを紹介している。
シドニーで念願だった自分のレストランを開店させた当日、大雨で店内が水浸しになって絶望したが、オーストラリア人客は「問題ない。一緒に飲もう」と気にしなかった。世界には日本人と違う価値観があることを示し「直面する問題は思っているほど大きくない」「目の前のチャンスに乗り込む勇気を常に準備しておくこと」などのメッセージを盛り込んだ。

私が勤める大学が小規模大学だからかも知れませんが、学生たちは身近な大人である大学職員に対してどんな人間なのか、関心を引くようです。特に苦労した経験とか、大学職員になったいきさつなどは結構よく聞かれます。学生の関心を引く仕事である以上、大学職員自身が魅力的な職業人・人間である必要があると、私は日々の業務で感じています。

森川さんの書籍、大学内生協のWebサイトでも紹介されていますし、Amazonでも購入できるみたいです。
人生の方程式とジョーカーとスペードのA

森川さんのコメントを読んで感じたのですが、大学職員はもっと自己主張するべきではないでしょうか。ブログやSNSなど、現代は個人が無償で自己表現できるインフラが整ってきています。多様な個性を持っていらっしゃる大学職員はたくさんいらっしゃいます。(少なくとも私がこれまでお会いした方々は皆さん個性的な人でした)
最初は誰もがどう表現したらよいのか迷いますが、継続するうちに自分なりの表現方法を見つけられるような気がするのです。大学職員として働く自分の姿を通じて、学生たちに何らかの影響を与えられたなら、これ以上嬉しいことはありません。私は、インスティテューショナル・リサーチャー*1になりたいのですが、そのためには自分で研鑽を積み重ねていくほか方法がなさそうです。

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