Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学で拡がる「テーブルフォーツー(Table for Two)」

high190です。
このブログでも過去にお知らせしてきましたが、低カロリーの食事を取りながら途上国の食糧支援を行う「テーブルフォーツー」の取り組みが徐々に広がりを見せてきているようです。今回は熊本大学の取り組みをピックアップ。


低カロリーの食事を取りながら途上国の子供たちの食糧支援ができる取り組み「TABLE FOR TWO(二人で囲む食卓)」(TFT)が、熊本大学で始まって1年余り。九州の大学では初めて導入された試みは、気軽に参加できることもあり、県外の大学にも広がりを見せている。(小山田昌人)
TFT活動は日本が発祥の地。飽食による生活習慣病が多い先進国と、慢性的な食糧不足に悩む途上国との間の食の格差を是正するのが目的。730キロ・カロリー以下で油分を控えた食堂指定の献立を食べると、一食あたり20円が途上国に寄付される仕組み。2007年から始まり、現在約230の企業や大学などで導入されている。
熊本大学では09年1月から、熊本市の黒髪キャンパスの学生食堂で、野菜をふんだんに使った日替わり定食とカレーセットの2品目を「TFTメニュー」として提供を始めた。
今年1月末までに計約2万5000食が売れ、途上国の子供115人分の1年間の給食費にあたる約50万円が集まった。学内でTFTメニューを提供する学生食堂は6か所、献立も16品に増えている。
熊本大2年野口広貴さんは「健康的と思って食べています。意識せずに途上国の子供たちを支援できるのもいい」。熊本大生協のレストラン「FORICO」の大隈正人店長(54)は「学生にとって20円は負担になるかと思っていたが、売れ行きはまずまず。むしろ、新しい献立を求める声もある」と話す。
活動が成果を上げていることを聞いた佐賀大や大分大などもTFTを導入。「熊本大と熊本大生協が協力して取り組んだ成功事例が、周辺の大学に口コミで広がっている」とTFT事務局。小国町の農家からは、規格外の大根を無償提供したいとの申し出があり、熊本大は学内で大根を販売し、利益を最貧国に寄付する活動「VegeTABLE FOR TWO」も始めた。
熊本大は「TFTを通じて、学生が、途上国の貧困など地球規模の課題に目を向けるきっかけにしてほしい」と話した。

口コミで広がって近隣の大学でも取り入れ始められてきたということは、大きな成果だと私は思います。また、学食での身近な国際協力が学生にとっても取っつきやすいということも広がりやすい一因でしょう。また、カロリーが少なく健康的で身体にいい食事を取るということは、学生の食育面でも良く作用するのではないでしょうか。
やはり日常生活から学生の気付きを喚起できる仕掛けは、高等教育にも必要なのではないかと最近感じています。学生を「焚きつける」とでもいいましょうか。内に潜むやる気を引き出す、ということをもっと大学内で起こしていきたいと思いますね。

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