Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

東京多摩地区の大学学食ガイド本が人気。 にわかに巻き起こる学食ブーム?

high190です。
大学の食堂というものは、社会から見て思わぬ関心を呼ぶことが多いように思います。大学食堂のランキングが発表されたり、*1企業とのコラボレーションで社員食堂のメニューが食べられるようになったり、*2食堂のレシピが本になったり、*3学食から食糧問題を考える取り組み*4など様々ですが、学食が大学のひとつの顔になっているということは疑いのないところですね。  
さて、様々な学食本などが出版されている中で、東京都の多摩地区にある大学食堂を紹介した本が人気を集めているそうです。


多摩地区を中心に25大学の学生食堂を訪ね歩く「多摩のキャンパス 学食ごはん」が「けやき出版」(本社・立川市)から発行され、評判を呼んでいる。「食」を通じて大学を案内する新たな切り口が好評で、大学選びの参考にと、高校からの引き合いもあるという。
じっくり煮込んだデミグラスソースが自慢の「ハヤシライス」(桜美林大、350円)、焼きたてを味わえる「サーロインステーキ」(法政大、600円)――。学食といえば、安くてボリュームがあることが重視されたものだが、この本に並ぶのは、見た目も価格もイメージを覆す献立ばかり。「味や量だけではなく、栄養も考えられていて、各学食の工夫が楽しめます」と担当した編集部の小崎奈央子さん(33)。学外者が利用できるかどうかも記してある。
大学ごとに、カラー写真で一押しの献立や営業時間、メニューなど学食を案内。合わせて学部の種類や大学への交通手段などを紹介する、大学案内の役割も果たしている。またキャンパス内の雰囲気や学内博物館や美術館に関する情報も盛り込んでおり、地域住民は散策にも役立てられそうだ。
ただ、編集には苦労もあった。約50大学に取材を申し込んだものの、警備上の理由から学外者が利用できない大学も多かった。このため掲載した大学は「一般の人が入れるかどうかを重視した」という。
折しも社員食堂ブーム。同社では当初、一般読者を想定していたが、発行後、高校からの問い合わせが相次ぎ「思わぬ反響に驚いた」という。中央大の広報担当者も「普段からキャンパス内は家族連れの姿でにぎわっており、学食という別の魅力も知ってもらう機会になる」と話し、学食ガイドの副次的効果を期待している。
A5判、128ページ。税別1300円。多摩地区の書店などで販売されている。問い合わせは同出版((電)042・525・9909)へ。

多摩のキャンパス 学食ごはん

多摩のキャンパス 学食ごはん

高校からの問い合わせが相次いだというのは興味深いですね。大学選びの参考に学食が出てくるというのは面白いことです。
個人的に高校生の皆さんにおすすめしたいのは、オープンキャンパスなどではない普通の日に大学に行って食堂でお昼を食べてみることでしょう。学食の利用者の中心は学生であり、学生たちのマナーや話されている話題など、その大学の日常を最も知ることができるのが学食であるといえます。また、学食だけではなく、キャンパス近隣で学生がよく行く店などを調べてみるのもいいでしょう。学生たちがどういう行動パターンを取っているのかが分かります。
学食を地域に一般開放することについては様々な意見があると思いますが、私個人としての考えは積極的に開放していくべきではないかと思います。大学の近隣にお住まいの方々からは、大学・学生に対して賛否両論あると思いますが、近くにいる人だから分かる改善点などもあるでしょうし、そういった意見を受けとめる場としての機能を大学食堂に持たせてもいいでしょう。地域に根差した大学を実現する上でも食堂の開放は必要だと考えます。

*1:日本経済新聞が全国のおすすめ大学食堂ランキングを発表−http://d.hatena.ne.jp/high190/20111017

*2:佐賀大学タニタの食堂メニューが食べられる!学生が講義の一環で企画して実現−http://d.hatena.ne.jp/high190/20110628

*3:女子栄養大学の学食レシピ本、11万部を売り上げる人気に−http://d.hatena.ne.jp/high190/20110215

*4:学食から食糧問題を考える「テーブル・フォー・ツー」−http://d.hatena.ne.jp/high190/20080627