Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

早稲田大学系列校の建設候補地、唐津に決定

早稲田大学(東京)傘下の中高一貫校「大隈記念・早稲田佐賀学院」(仮称)の設立を目指す早大関係者やOBら有志が25日、佐賀県唐津市を訪問し、建設候補地を同市に決めたことを伝えた。坂井俊之市長は「心から歓迎します」と全面協力を表明。有志は年度内にも学校法人設立に向けた準備財団をつくり、2009年4月開校に向けて手続きを本格化させる。

 同市を訪れたのは、新設校の学校法人理事長に就任予定の海老沢勝二・前NHK会長、石田光義・早大大学院教授ら3人。建設予定地には、早大創設者・大隈重信の生家がある佐賀市なども名乗りを上げていたが、海老沢氏は坂井市長に「(新設校の)新しい教育理念が、唐津市の立地などと一致している」と説明。具体的には(1)アジアとの近さや歴史的なつながり(2)福岡市とJRや地下鉄で直結(3)移転が決まっている高校跡地などを活用して短期間で開校できること‐などを挙げた。

 新設校は男女共学。大隈重信が示した「学の独立」などの教育理念を踏まえ、アジアに近い特性を生かして「国際化時代の中で活躍できるリーダー」を育成する。アジア各国からの留学生を受け入れる方針で、海老沢氏は自ら各国を回り、説明する考えを示した。

 計画は海老沢氏のほか、森喜朗元首相、奥島孝康早大前総長らが進めており、準備財団を設立後、学校法人の認可を申請する予定。これを受け、早大側は新設校の卒業生を受け入れる系列校とするかどうか、正式に学内の協議に入る。

早大佐賀県での系列校、建設候補地は唐津に決定したようです。
計画は既に次の段階にも進んでおり、行政との事前協議が行われています。

唐津市早稲田大学の系列校となる中高一貫校の新設計画が浮上している問題で、設立準備理事会の海老沢勝二・前NHK会長らが25日、初めて公式に県内を訪れ、唐津、佐賀両市長や早大校友会「稲門会」県支部長に構想を説明、支援と理解を求めた。懸念される資金確保についても、「ある程度のめどはついている」と述べた。
海老沢氏らは、資金の確保の具体的な方法については明言を避けたが、「自治体との協力のほか、佐賀ゆかりの大手企業にも話を持ちかけており、今後は県内の有力企業にもお願いしたい」と述べ、「資金的な問題で(計画が)頓挫することはない」と説明した。
佐賀市や同支部の一部が難色を示していた唐津市への開設について、海老沢氏らは「2009年春の開校を考えると(佐賀市より)唐津市の方がスムーズにいく」と説明。福岡空港へのアクセスや、利活用が見込める土地や校舎がある点などを強調した。
中尾清一郎同支部長は「早稲田と大隈侯ゆかりの佐賀市だけでなく県全体の縁と考える。唐津への立地となれば、広くアジアの留学生にも門戸を開き、広く人材育成に寄与するものが望ましい」と理解を示し、秀島敏行佐賀市長は「残念ではあるが、市と大学のこれまで築いた関係もあり、つながりは深めていきたい」と述べた。また、坂井俊之唐津市長は「教育環境の向上や地域活性化につながる話であり、市を挙げて協力したい」と歓迎した。
今回の計画と早大本学との関係について、理事会の石田光義早大大学院教授は「われわれは決して無関係に活動しているわけではない」といい、「統一地方選後に学内世論の形成を進めていく」とした。
今後については、本年度末に開かれる県の私学審議会に構想を説明し、同時に財団法人の設立を申請。広く資金を募り、学校法人設立を目指すという。

個人的には、理事長就任予定者が海老沢前NHK会長であることが大きな驚きです。
準備理事会には、奥島前早稲田大学総長といったそうそうたる面々が顔を揃えており、早稲田大学への指定校推薦枠が与えられるのは確実でしょう。

佐賀県からの協力も得られそうな新学校、今後も注目していきます。