Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

京都精華大学のマンガ教材が人気なようです。

high190です。
京都精華大学マンガ学部が教材の作成などで数多くの受注を集めているそうです。発注される教材も様々なものですが、何よりも分かりやすく解説できることに人気が集まっているようです。

全国で唯一、「マンガ学部」がある京都精華大京都市)に、全国の官公庁や企業、団体から、マンガ仕立てのマニュアル、パンフレット、教材などの注文が殺到している。伝統産品を紹介した小学校教材から、水害対策をPRする国土交通省の啓発マンガまで、5年間で100点を突破、契約総額はポスターや広告イラストなども合わせて数千万円にも上る。作者は学生や卒業生の若手マンガ家らで、読みやすさと絵で訴える情報量の多さが人気の秘密。大学は「駆け出しの漫画家を育てる絶好の機会で、学生たちにとって社会経験の場にもなる」と歓迎している。
2003年に、教授を務める漫画家竹宮恵子さんが自治体から記念誌マンガの制作の依頼を受け、学生が手がけたのをきっかけに、口コミで注文が広がった。
現在では大学が窓口となり、発注を受ける。学生やOBから選ばれた作者が、企画から取材、作画までをこなす。今年度も約20件を受注した。
その内容は様々だ。
京都府立医科大から依頼を受けて制作したのは、「くも膜下出血」「脳出血」の2冊の冊子。患者や家族向けの説明資料として活用されている。同医科大脳神経外科の笹島浩泰准教授は「マンガなら病気や治療方法を短い時間で理解できる。写真に比べ、患者、家族の精神的ショックを和らげるメリットもある」と話す。
日本貿易振興機構ジェトロ)大阪本部が、海外進出を目指す中小企業向けに、ノウハウや心構えなどを紹介したマニュアル4巻の制作も請け負った。同本部の担当者は「マンガにしてから、『参考になった』など、反応のメールや手紙が多くなった。ストーリーがあって読みやすい」と手応えを感じる。
京都精華大マンガ学部の熊田正史教授は「依頼が増えた背景には、かつて偏見を持たれがちだったマンガも今では、海外でも評価されるようになり、以前より抵抗感が少なくなっていることもあるのだろう」と話している。

契約総額は数千万円ということですから、京都精華大学にとっては立派な収入源になります。マンガ学部に在籍する学生にとっても、他人からのオーダーをいかに高いクオリティで仕上げるか、というクリエーター魂を発揮できる場になっています。自分が手がけた作品がどういう評価を下されるのか、ということはプロの漫画家でも同じことです。
学生のうちから社会が何を求めているのかを把握するためにも、よい取り組みだと思います。

ちなみに京都精華大学はOpenCorseWareを実施していたり、YouTubeチャンネルを開設していたりとWeb関係でも先進的な取り組みを行っています。

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