Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

Jリーグのクラブと大学の産学協同が増えてきているらしい

high190です。
プロフィールでも若干触れていますが、私ことhigh190は非常にサッカーが好きです。ここ最近は仕事の都合で参加できていませんが、昨年などは週1回のペースでフットサルをやってました。サッカー暦は小学校4年生から高校1年生までと、それほど長いわけではありませんが、今でも時間があればボールを蹴りたいと思っています。
観戦はあんまりしないんですが、2006年のドイツワールドカップ時には日本戦を観るために2度ほどパブリックビューイングに行ったりしました。(ちなみにhigh190の職場には本当にドイツまで行ったツワモノがいます!何でも1年前から上司と交渉していたとか)
その他にもクラブワールドカップを観にいったり、サッカーは人生の大事な1ページ?と呼べるだけの存在です。
そんなこんなで今でもサッカーが大好きなのですが、どうやら最近Jリーグのクラブと大学が産学協同している例がたくさんあるらしいのです。元々、Jリーグは地域に根ざしたスポーツ振興を柱にしていますから、大学との連携はある意味では必然的であるといえるかも知れません。

企業が大学と提携し、商品開発などのビジネスに結びつける「産学協同」が活発化する中、Jリーグのクラブが大学と業務提携する動きが広がっている。すでに全体の約3分の2のクラブが地域の大学と連携。共同でビジネスモデルを構築したり、J側が監督を派遣し、見返りに通訳らボランティアらのスタッフを出してもらう。「地域密着」を理念に掲げるJリーグ側と、成長著しいスポーツビジネスを新たな目玉にしたい大学側の経営戦略が、一致している形で、今後も広がりを見せそうだ。(森本利優)
J2湘南のユニホームの胸部分には「SANNO」のロゴマーク。湘南は2004年1月、Jクラブの中で初めて産業能率大(本部・東京都世田谷区)と業務提携を行った。授業を共同開発し、クラブスタッフが講師として参加している。他にも湘南側がサッカー部の監督・コーチを派遣し、部の強化とともに、トップ昇格できなかったユース選手の受け皿としても活用している。
「スポーツの世界で働きたいという人が増え出した。ユニホームやスタジアムでの校名露出以外に、スポンサーの対価としてスポーツビジネスに関しウチが大学の授業をやったら面白いのではと思った」と湘南の真壁潔社長は“狙い”を口にする。
産能大も、湘南の申し出は“渡りに舟”だった。情報マネジメント学部の宮内ミナミ学部長は「クラブの資金繰りや組織運営などは大学が教える経営課題と同じ。スポーツはわかりやすく、学生に受け入れられやすい」と話す。ビジネスを学ぶのに、スポーツは打って付けの“生きた教材”というわけだ。
少子化の影響で定員割れの大学が続出する中、産能大は今年度も入学志願者が増えたという。「提携は学生へのアピールになっている」と宮内部長。Jクラブの明るいイメージが、大学のブランド向上にもひと役買っている。
国立大にも広がっている。埼玉大は04年末に浦和・大宮と、茨城大は05年に鹿島と協定を結んだ。その背景には04年の国立大の独立行政法人化がある。「国費で研究するだけではなく、地域貢献も国立大の使命になった」(埼玉大事務局)。実績次第では国からの運営交付金が削られる。生き残りへ独自の道を模索する中で、地域密着を地でいくJクラブは、魅力的な相手だった。
提携の形は多岐にわたる。インターンシップ受け入れや講師派遣が代表例だが、京都はユース選手を立命館大の系列高校に通わせ、川崎は田園調布学園大から保育士を派遣してもらって主催試合時に託児室を開設。浦和は昨季、アジア・チャンピオンズリーグの遠征時に埼玉大の留学生を通訳として帯同してもらった。
互いにメリットの大きい大学とクラブの連携は強まるばかり。「当初は若いファン層獲得という狙いもあったが、1番は熱意のある地域の学生を就職させてやること。そうしないとスポーツ界もよくならない」と真壁社長。両者は単なる宣伝目的以上のよきパートナーとして前進している。

産業能率大学湘南ベルマーレの提携は、他の大学にとっても参考にできる部分が多くありそうですね。特に組織運営や資金調達に関して考える際に、身近な教材があるかどうかで理解度は大きく異なってきます。


その他にも記事ではJリーグクラブと大学がどのように連携しているのかを紹介していますが、最も重要なのは互いに協力していける体制作りといったところでしょうか。大学側から考えると、学部の特色を活かした形の連携策を学内で検討することと学生の協力をどこまで得られる体制にするか(カリキュラムの一環として実施するか、ボランティアか)を決めていく必要があります。
地域連携の一環ですから、学生を積極的に巻き込んだ形にしていければ産学協同が成功するのではないでしょうか。ゼミナール担当教員に依頼してゼミ活動の一部に位置づけるのも面白そうです。

Jリーグのチームは毎年順位が決まる厳しい競争にさらされています。大学がJリーグの厳しいダイナミズムに触れることで、学生に学びの動機付けができるかも知れません。身近で触れやすい題材を使った新しい産学協同の形に期待したいです。

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