Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学広報から職場の意識を変える

high190です。
日頃、私の所属する部署では広報的な業務に携わることは稀です。ただ、自分の業務の中から「これってもうちょっと工夫すれば広報にも繋げていける活動なのでは?」と思うようなものが見つかったりします。現状の業務に自分なりの付加価値を付けて、その上で広報にも持っていけるような活動がしたいなーと思うんですが、大体「それは職員のやること?」という意見が出てきてしまうんですね。うーん、そこを何とかして説得できるような力量が欲しい…ここ最近はそんなことを考える日々です。

さて、どちらにせよ、大学で実施している特色ある取り組みも「いかに表現できるか?」ということが大切です。以前、NHKの人気番組だったプロジェクトXでは「日の当たらない、日陰部署」なんて言葉が多用されていたように思いますが、上手にスポットライトを当てることでプロジェクトが成功してきたことは共通しています。そういった点で、大学はスポットライトを当てることに不得手な印象がありますが、実際にこんな指摘もあります。

(上記記事より一部抜粋)
今はどの大学も上手に自分の大学をPRするようになってきたと思いますが、ほんの十数年前までの有名大学には「(うちの大学では)良いものを提供している、だからほっといてもクチコミで人気が集まる」のような甘えがあったような気がします。

(中略)

これだけ情報が氾濫した時代では、「良いものを提供している」だけでは受け手に伝わらない…というか、受け手の「気づき」を生まない、そう考えないといけません。

受けての「気づき」を生む。これは重要な視点ではないでしょうか?受けての頭の中で、「この大学ではこういう活動をやっていて、その活動は自分にとってこんなメリットがありそうだ」と受験生に思ってもらえるかどうか。たとえ、オープンキャンパスに人をたくさん呼んでも、そこで受け手に訴えかけるものがなければ、当然印象は薄いですよね。いかにして競争時代の大学として存在感を示すのか?ということは今の大学に必要なことです。

「良いものだから多くの人に使ってもらいたい」
「そのために、今伝わっていない人にどう上手に伝えればよいか」

宣伝やマーケティングの担当者だけではなく、製品やサービスを実際に生み出している人も考えなければいけないことでしょう。
自分の生み出した製品やサービスを、本当に愛しているのであれば。。。

この一文を読んで、思わず唸ってしまいました。

「俺はいま大学職員として仕事をして、本当に自分の大学に人を呼びたい・人を育てたいと思っているのだろうか?」

自分の大学を好きな人が職員になる、私はこういった視点がこれからの大学経営に必要だということを提案したいです。いくら教育・研究に優れた大学であっても、教職員と学生の関係が悪ければ当然学生はいいイメージを持って卒業できないでしょう。

教育・研究面では改善の余地があっても、教職員が学生に対して熱心に接する大学の方が、学生が抱く大学へのイメージを良くできるのではないかと考える訳です。

今後の大学広報で「本学の特徴は教職員です」というキャッチコピーを前面に出すというのはどうでしょう?人と人の繋がりを重視した形の新しい大学広報です。同時に教職員へ大学・学生に積極的なコミットを要求するのです。そんな形の大学像も面白いのかなと思いつつ、自分に出来ることをもう一度考えてみようと思ったhigh190でした。