Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

女子美術大学が海外で留学生向けの震災対策説明会を開催

high190です。
女子美術大学では留学生向けの震災対策説明会を韓国のソウルで開催したそうです。女子美術大学には韓国からの留学生が多く、入学予定者や保証人へ安心感を与えるためにどうしたらいいかを考えた好事例だと思います。


女子美術大と女子美術大短期大学部は17日、留学生とその保証人を対象とした東日本大震災の影響の説明と、影響を受けた留学生に対する入学延期制度などの特別対策を説明する「留学情勢説明会」を、ソウルの「グランドアンバサダーソウル」で開催した。
同大学では、106人の留学生がおり、うち84人が韓国で、震災後3人が入学を辞退、6人が休学、多くの留学生が、休学などの相談に来た。特別緊急対策として11年4月に入学を延期する「入学時期延期制度」を導入し、入学辞退者も同制度を利用して、辞退を取り下げたという。
説明会は、震災や原発事故による留学生とその家族の不安を解消するため、留学生の多い韓国で開かれた。新入学生を含む留学生とその関係者ら62人が出席。横山勝樹教授が大学の現状を説明し、「日本人学生と留学生の大半は新年度に大学へ戻ってくるので、今日説明会に来ている方にもそのような行動をとってほしい。もちろん、学内でとり得る安全対策や留学に適した環境づくりには最大限の努力をする」と訴えた。また、東京都杉並区と相模原市南区にあるキャンパスを、韓国人留学生が紹介する動画も上映され、入学延期や休学の手続きも受け付けた。
同大学では「『日本からわざわざ来てくれて、留学生のことを考えている姿勢が伝わった』という感想が多かった」と評価している。

東日本大震災に伴う留学生対応については各大学が苦慮しているところだと思いますが、現地に出向くという方法を採用したのは前向きに現状を正しく伝える上で、とてもよいことなのではないでしょうか。
ソウルでの説明会については、震災対応用の臨時情報サイトに詳細が掲載されています。

留学生の受け入れに積極的な大学では現実問題として各国に出向いて状況を説明するだけの労力を割くことは難しいかも知れませんが、正しい情報を伝えることは留学生及び保証人に安心感を与えることに繋がりますので、積極的な情報公開に努めていくことが重要です。記事中にもある「わざわざ来てくれて」という点は見逃せません。こういう細やかな気配りを続けられるか否かは学生募集上でも非常に重要なポイントだと思います。