high190です。
早稲田大学では長期・実践型のインターンシップ「プロフェッショナルズ・ワークショップ」を開催しているそうです。
- キャンパる:早大 産官と提携し就業体験(出典:毎日新聞 2009/10/30)
早稲田大学が学生に、長期で実践的な就業体験(インターンシップ)を提供している。その名も「プロフェッショナルズ・ワークショップ」。産官学が連携した取り組みの現場を取材した。【早稲田大学大学院・吉崎洋夫】
◇夏休み返上「学生の発想」提案 日産COO評価
8月末、早稲田大学の14号館8階会議室。「データの裏付けがまだ甘い」「質問の仕方をもっと工夫しよう」。夏休みを返上し熱い議論を交わしている学生たちがいた。日産自動車のワークショップに参加している男女19人の3年生たちだ。「次世代の車はどんなものになるのか?」。プレゼンの準備に熱がこもる。「これじゃ無理だ……」と沈黙が訪れることも。
学生たちは週に3、4回集まって議論を交わす。アンケートを作成し、街頭でインタビューし、文献を調べる。そしてまた議論を繰り返す。答えのない答えを探す。
プロフェッショナルズ・ワークショップとは、プロフェッショナルズ(企業人)と学生が協力して問題解決を図るという意味。参加者は、一部ワークショップを除き、学生や院生から公募する。07年から始まり、現在の連携企業・自治体は、アップルジャパン、ANA総合研究所、日本公文教育研究会、東京アパッチ、NEC、日産自動車、長野県木島平村など。その数は年々増えている。
大学が企業と学生の間に入り、就業体験の内容を調整するのが特長。期間は3カ月から7カ月と長期間にわたる。学生に提示される課題も、実際に企業や自治体が直面している問題だ。早稲田大学戸山総合事務センターの国分勝さんは「学生には、こうした学びの場を通して、社会とは何かを感じてほしい」と狙いを語る。
日産自動車とのワークショップは今年で3年目。日産自動車総合研究所の佐々木香さんは「社内からは出てこない発想を学生が提供してくれる」と利点を挙げる。
今年のワークショップは6月下旬から10月上旬まで約3カ月かけて行われた。学生たちに出された課題は「次世代向けの車のあり方」と「次世代モビリティに必要な要素」の二つだ。学生たちは4チームに分かれ、どちらか一つの課題に挑む。
話し合われた案は、中間報告会、最終報告会を経て、最後は役員報告会で発表される。9月24日に開かれた最終報告会では、日産自動車担当者から「初めて聞く人にも分かるように、もっと論理的に説明しなさい」などの厳しい指摘が出た。
10月7日、横浜市の日産自動車本社で、役員報告会が開かれた。夏休みの大半を費やして作られた学生たちの案が、志賀俊之COO(最高執行責任者)ら日産の役員や、早稲田大学理事がいる前で発表された。「モテ要素」「親しみ」「ときめき」などの独特な視点から提案が出され、志賀COOからは「車離れしている若者を引き戻すきっかけとなる案があった」と評価の声が上がった。
これまで学生から出された提案の中には、実際の現場で採用されたものもある。日産自動車総合研究所の等々力強さんも「今回出された学生の意見を、今後の戦略を考える上で参考にしていきたい」と語る。
学生も貴重な社会経験を得ているようだ。商学部3年の内藤智さんは「企業が求めている力がどのようなものなのか実感できた。実際に働いている方々の能力の高さを感じた」と語った。
1〜2週間のインターンシップも無駄ではないと思いますが、より企業を知るには長期的に参画することが重要だと思います。
実際問題として1〜2週間のインターンシップでは、受け入れる企業の側も一般常識を身につけていない学生には、重要なことは任せられませんので、学生が主体的には関わることは難しいです。
長期的なインターンシップであれば、学生がプロジェクトに関わり、時間的制約があるなかで論理的に考えることを訓練することが可能になります。また、社会人として基礎的な素養(言葉遣い、電話応対)なども身につけられるので、時間をかけることに意義はあります。しかしながら、大学教育とインターンシップの関連性が高くなければいけないので、必然的に両者をコーディネートできる能力を持った人間が必要になります。
この場合、実業界とのパイプを持つ教員がコーディネートする場合が多いのだと思いますが、インターンシップで企業と大学の橋渡しにどれだけ職員が参画していけるのかを考えると、職員の能力開発という点でも面白いのかも知れません。