Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学の魅力=新しくてきれいな施設なのか?それだけではないはず。

high190です。
ここ最近、施設改修・整備を行う大学が増えてきているように思います。
それだけファシリティとかアメニティが重視されてきている訳ですが、大学の魅力って施設だけなんでしょうか?


(上記記事より一部抜粋)

女性が化粧や身だしなみを整えるための「パウダールーム」を設ける大学が増えている。少子化に伴う全入時代を控え、魅力的な施設整備で、女子学生を引きつけようという大学の思惑がにじむ。

確かに男女共学の大学が増えてきていることから、女子学生にとって使いやすいキャンパス整備は必要でしょう。入学前にいくつかの大学を見比べてみて、偏差値・知名度が同じぐらいだった場合、次に選ぶ根拠になるのは立地とキャンパスでしょうからね。

しかし、大学は勉強する場所。本来であれば図書や教育環境を向上させる施設に資本投下すべきです。

〈大学経営に詳しい山本真一・広島大学高等教育研究開発センター長の話〉 生き残りをかける、大学側の事情はわかる。しかし、大学は研究や学びの場。学術施設の充実にまずは力を入れるべきではないか。大学が急速に大衆化した70〜80年代の「第1次レジャーランド化」に続き、全入時代を控え、「第2次レジャーランド化」が進んでいることの表れだ。

ここで重要なことは、大学のファシリティ向上を考えるときに改修・整備によって教育的効果がどの程度上がるのか、という効果測定だと私は考えます。箱だけ作っても中身がないのでは無駄な投資です。そこに教育的効果の付加・向上が期待できるものでなければ、大学の投資としては失敗ではないでしょうか。

立派な施設よりも、教育効果が高くかつ機能的な建物である必要があるのではないかと。そう考えると施設管理課とかだけでやるのではなくて、アクティブラーニングなどに詳しい教員も交えたプロジェクトベースで施設改修を検討した方が効果的なのでは。また、ROIの視点も持っておきたいものですね。施設改修でどの程度入学希望者が増えたのか、という分析も必要だと思います。

にほんブログ村 教育ブログ 大学教育へ