Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

産学連携の効果と課題

high190です。
ここ数日、帰りが遅くてなかなかブログの更新ができない有様。恐らくこのブログを定期的に読んでくれている人は少ないだろうと思いますが、申し訳ない限りです。やっぱりもっと早くネタを加工できる力が欲しいです。文章読解力、高校の頃から現代文の先生によく怒られたし・・・色々試しながら力を付けていくしかないですね。
さて、今日は産学連携に関する話題をひとつ。

きっかけは、ゼミ生の渡辺菜穂さんがインターンシップをしていた当時、話題のテレビドラマ「電車男」の特別編がタヒチで撮影されることから、TNマーケティング本部長の柳川悦子氏に「このドラマがタヒチのプロモーションになると思うか」と聞かれたこと。渡辺さんは「テレビに露出することで何かしら効果になると思う。ただ、時間とお金がないと難しいし、もう一つ何かがないとタヒチにまで行こうと思わないのでは」と意見を述べたところ、「それが何か、考えて欲しい」と課題が与えられた。そこで06年度の終わりごろ、ゼミの研究課題に設定。渡辺さんとゼミ生の正木賢輔さん、直井廉東さんは企画に乗り出した。「まさか学生に企画を任せくれるなんて」と、モチベーションが高まったという。

(中略)

庄司准教授も「学生は業界が思いもよらないアイディアを出すこともできるし、若さを生かした機動力もある。ただ、仮に企画を具体化するとしても、その方法や判断が難しい」という。一方、業界では仮にアイディアがあるとしても試作品にするまでの手間を考え、コストを量りにかけて、実現しない例もある。企画に関してはこの部分を補完しあうことが、産学連携でできるメリットのひとつだという。

(中略)

今、観光関連の学部を卒業した学生が旅行業界に入社するのは約3割と言われている。「身近な先輩が旅行会社で苦労している姿を見て」「労働条件が悪い」といった理由が多いようだ。今回の3名も残念ながら、業界外の企業への道を選んだ。せっかく、産学協同で業界の内部を知り、即戦力に近い人材になっても、他業界に進んでしまっては大きな損失。学生にとって魅力的な業界であることは、業界の課題であるといえる。

一時期、観光学部がもてはやされましたが、実質的に学生が旅行業界に入社するのは3割であるという事実。これでは、せっかくの産学連携も宣伝のだけに使われているだけです。そういった意味では、旅行・観光業界と大学が連携するにあたり、労働条件等の改善にまで踏み込まなければならなくなるということになります。果たして大学にそこまでのことができるでしょうか。
学生の教育面では効果が期待できるだけに、就職面でも連携できるような取り組みを模索していかなければなりません。

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