Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

関西学院大学上ヶ原キャンパスが4月から自動二輪車での通学を禁止

high190です。
都市部の大学は通学面で便利なことが多いため、受験生の人気を集めやすいです。しかしその反面、都市部ならではの問題を抱えている大学もあるようです。関西学院大学上ヶ原キャンパスでは地域住民からの苦情、駐車場所の確保が難しいことから50cc以上の自動二輪車通学を4月から禁止するそうです。

関西学院大は4月から、西宮市の上ヶ原キャンパスで、排気量50ccを超すバイクによる通学を禁止することを決めた。25年前から自粛を求めてきたが、特に2、3年前から学内に無造作に止められるバイクが多く、学生や、業務・緊急車両の通行の妨げになりかねない状況になっているという。走行マナーの悪さから近隣住民から苦情が寄せられることもあり、「これ以上、放置しておけない」と禁止に踏み切ることにした。
対象は50cc以下のミニバイクを除き、バイクやスクーターを使った同キャンパスへの通学。
同大学では自動車通学を禁止した1983年以降、バイク通学も新入生向けのちらしなどで自粛を促してきたが、利用者は年々増加。昨春と秋に調査した際は約220台のバイクが学内にあった。
キャンパスにバイク専用の置き場はなく、自転車と一緒に駐輪場に止められているものも多いが、学生会館前の広場「プラザ」や、校舎前に約80台が並ぶ状態になっている。
広場へ向かう車が通りにくくなったり、点字ブロック周辺が歩けなくなったりすることも。学外でも正門前の歩道にバイクや自転車が連なっていたため、昨年、中央に柵を設けて放置できないよう対策を取った。
同大学は阪急甲東園駅仁川駅から徒歩約12分で、甲東園駅からはバスも運行している。神戸市からバイク通学する3年の男子学生(21)は「便利なので禁止はつらい。50cc以下を買うか、大学近くの友人の家に止めようか」と困惑した様子。徒歩と電車で通う1年の男子学生(19)は「大学の近くは通行量も多く、危険だと感じていた」と話し、反応は様々。
大学は掲示や、ホームページで「バイク通学禁止」を告知、当面は罰則や強行撤去は考えず、様子を見るとしている。学生課は「専用置き場を設ける場所も無く、地域への迷惑を考えるともう手を打たなくてはと考えた。マナーを守る大切さを改めて考え、徒歩や公共交通機関で通学を」と呼びかける。

大学にとって、地域住民の生活への配慮は大学の社会連携という観点から、欠かすことのできないものです。学生の視点からすると、より便利に通学できる方がいいのですが、こればかりは優先度の問題でなかなか難しいものがあります。学生課で「何で通学できないんですか?」と学生から質問されて、回答に困ったことがある大学職員の方もいらっしゃると思います。
通学の利便性確保と地域住民への配慮、妥協点を見出せる場合は良いのですが、難しい場合には地域への配慮が優先になります。大学として学生にそうした事情を分かりやすく納得の行く形で説明する責任がありますね。

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