Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

タダコピに続く学生向け無料ノート

high190です。
突然ですが学生にとって欠かせないものとは?答えはもちろん教科書・ノートですね。必需品であるが故に4年間の出費も結構な金額になります。それなら、広告をのっけてタダで学生に配布しよう!という取り組みを学生団体が行っています。

法政大学経営学部の学生を中心とした学生団体「ファインダウェイ」(千代田区富士見2)が12月15日、学生にルーズリーフ(広告付き)を無料で提供するサービス「ルーズフリー」を発表した。
「ルーズフリー」とは、米・カリフォルニア発祥のサービスで全米200以上のキャンパスの40万人以上の学生を対象として提供されているサービス。大学生が学習で使用するルーズリーフの余白に企業などがバナー広告のような広告を掲載することにより、学生への無料配布が可能になる。
同団体は昨年12月から法政大学内でのテスト配布を実施。学生らの意見を取り入れるなど試行錯誤を繰り返し完成した「ルーズフリー」10,000部を今月4日〜20日、早稲田や上智など都内5つの大学校門前で、手渡しで配布した。
法政大学3年生で同団体代表の浜野勇介さんは「準備期間が長かったため、こうしてリリースできたことがうれしい。毎朝継続して校門前に立つことで、学生の方からもらいに来てくれることも多かった」と振り返る。
ルーズリーフの上部余白に広告を掲載することで、文字を書く間は広告が目に入りやすく、読み返したりする機会も多いため、既存フリーペーパーに比べて高い広告効果が期待できるという。同団体の独自調査によると、約9割の学生が「ルーズフリーをまた欲しい」と回答した。
今後は配布する大学や配布の規模を広げ、手渡しでの配布のほかに大学内に専用ラックの設置を目指す。次回配布は来年4月を予定。また、同団体は事業拡大のため株式会社化を進めている。

いまのところ、同じようなサービスとしては「タダコピ」があります。こちらはコピー用紙の裏面を広告に使うことで学生のコピー代をタダにしてしまおうという取り組みです。

上記サイトにはこんな一文がありました。

無料ルーズリーフの『ルーズフリー』とは、ルーズリーフの余白に広告を掲載することにより、学生に無料でルーズリーフを配布するという新しい学生支援サービスです。現在、都内5つの大学の5つのキャンパスの大学前において配布いたしております。学生が日常の学習で使用するルーズリーフを無料で配布するルーズフリーは、学生が真に求めるサービスであり、学生支援の一環となります。

「新しい学生支援サービス」を学生たちが考えている、という事実がとってもステキです。自分たちで大学を良くしていこう!という気持ちで頑張っていらっしゃるのですね。

広告を収益源として利用者負担を軽減するやり方は、Google Apps Education Editionでも見られる手法です。既に米国では実績のあるサービスですから、日本でも市場開拓の余地は大きいでしょうね。何よりもサービスを受けられる学生にとって、メリットが大きいということがいいですね。収益面での問題は広告主を如何に集めるかですが、そこはファインダウェイの皆さんの腕の見せ所といったところでしょう。既にウィルコムリクルートが協賛として名を連ねていますので、どれだけの大学に対して参加を呼びかけていけるかですね。配布規模の拡大と同時に株式会社かも進めているようですので、学生ベンチャーのひとつとして成功してもらいたいものです。

(2008/02/08追記)
ITMediaでもルーズフリーのことが紹介されました。*1

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