Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学におけるITのプロって何だ?

high190です。
突然ですが、私はITに関して大きな関心があります。その理由は、ITを用いることで業務の平準化と情報の共有化が図れるから。もちろんメリットとしてはもっとたくさんのことがあるのだと思いますが、ぱっと思いつくところではそんな感じです。

さて、もはや大学でもITを用いるのは当たり前になっています。業務においても教育においても、ITを活用していない大学は恐らく日本中を探してもまず見つからないでしょう。ところで大学には教務・学生・就職・入試などの部署があり、それぞれの部門において必ず「プロ」が存在します。その人に聞けば詳しいことが確実に分かる、という安心感ですね。
それでは、大学におけるITのプロってどんな感じの人なんでしょうか?情報課のシステム管理者なのか、はたまたサーバー管理者なのか…正直なところ、明確には定義されていないのではないでしょうか。おまけにシステムを組み込む際に、業者に一任していることから詳細は学内の誰も知らないなんていうケースもあります。

そんな疑問を持っていたんですが、「大学でもITのプロは必要だなー」と思わされる記事がありました。

(上記記事より一部抜粋)

これは特に経営層に訴えかけたいことですが、社内にITのプロ(専門家)は必要ない、という発想は非常に危険です。もはやビジネスとITに垣根を設ける意味はなくなりました。
もっと分かりやすく言いましょう。あなたの会社には、少なからず営業活動を行う人々がいますよね。彼らは営業スキルのプロフェッショナル性を磨いているはずで、素人営業などと揶揄したら怒るでしょう。
ITも同じことです。ほとんどの会社には少なからずITに携わる人々がいるわけで、 IT無しで会社を運営することは段々難しくなっています。
コアコンピタンスにリソースを集中するのも結構ですが、必要最低限のITのプロは社内に繋ぎとめておかないと、後できっと後悔しますよ。

上記の記事を大学にあてはめてみるとどうでしょうか?私の職場でも、学内でITを軽視するような発言を耳にすることがありますが、実際問題としてITがなければ業務が成り立たなくなっているのです。もはや大学にとってITはミッションクリティカルに構築されなければならないものであり、その管理には当然プロの力が必要です。

しかし、大学の情報課でプロは養成できるのでしょうか?これはキャリアパスの問題にも繋がりますが、大学職員の業務はローテーション制で色々な部署をぐるぐる回るのが一般的です。そういった人事では大学のことを全般的に把握することは可能かもしれませんが、ITの高度な専門性を要する職務には対応できません。よって、外注することに繋がるのですが、そうすると問題が起こったときに誰も原因が分からないという事態が発生することになります。そしてその被害は学生が被ることになります。

マイクロソフトは大学CIOフォーラムを実施し、大学におけるIT戦略・ガバナンスについて議論を進めています。

まだ大学CIOフォーラムへの参加大学は少ないようですが、こうしたフォーラムへの参加を通じて大学におけるITのプロを養成する仕組みが今後必要になってくるのではないかと思います。