Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

関学大が2科目入試導入 08年度から

high190です。
私立文系学部の入試で数学が課されることはほぼありません。(数学を避ける受験生を囲い込むため?)
そんな私立大学の「常識」に切り込む新制度を関西学院大学では導入します。

関西学院大学(西宮市)は十七日までに、二〇〇八年度入試から二科目のみの選抜方法を一部導入すると決めた。今の学生が不得手とされる数学や小論文を取り入れることで、より特色ある人材の獲得を目指す。二科目による入試は、神学部を除き新制大学になって初めて。
同大学によると、新しく採用する独自方式は四つ。英語と数学のみの「英数型」は法、経済、商の三学部で、定員は各二十-三十人。「英語・小論文型」の定員は、神学部五人と総合政策学部三十人。
「センター併用」の文系は、同大学の英語に、センターの国語と高得点の一科目を合わせた三科目で選抜する。文、社会、法、経済、商、総合政策の六学部で各三十人程度募集する。「センター併用」の理系は理工学部のみで、同大学の科目は数学。定員十五人。
同大学入試部は「英数型では国公立を目指している受験生も受けやすくなるが、志望者増加を目的としたものではない」と説明している。
神戸市内の大手予備校によると、私立文系で数学を課す大学は珍しいという。

大学がユニバーサルアクセス型となった社会において、募集力の乏しい大学は教育内容よりも経営面での安定を求める傾向にあると思います。そうした流れの中で、数学を必須にする関西学院大の取り組みはユニークです。

同大学入試部は「英数型では国公立を目指している受験生も受けやすくなるが、志望者増加を目的としたものではない」と説明している。

論理的思考力を養成するには、数学的思考が必要不可欠だといいますし、私自身数学に対して真摯に取り組めなかったことからも入試制度を変革する決断には拍手を送りたいと思います。

文系のための数学教室 (講談社現代新書)

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