Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

マクロミル、社会人の大学・大学院進学に関する調査結果を発表

high190です。
私は大学で各種証明書(卒業・成績等)の発行を担当していますが、30代で大学・大学院進学を希望する人が最近増えていると思います。雇用制度が変わり、「自分のキャリアをマネジメントする」という人が増えてきていることの表れなのかなと感じています。
そうした社会人の大学進学についての調査結果がありましたので、ご紹介いたします。

社会人の大学・大学院進学に関する調査

1.進学する際、現在勤めている会社は「そのまま勤めながら進学する」78%
2.大学・大学院に進学したいと思った理由は「現在の仕事に関してより専門知識を身につけるため」51%
3.社会人の進学にあたっての不安は「学費の負担」が73%でトップ
次いで「学校に行く時間を確保できるかどうか」が53%
大学全入時代」が本年度にも到来すると言われています。また、定員割れの4年制私立大学が4割に達っする一方で、大学や大学院は社会人入学制度を拡充し、社会人に対する門戸も拡大しつつあります。
株式会社マクロミル(本社:東京都港区、社長:辻本秀幸)は、全国20〜59才の社会人(会社員・公務員に限る)で5年以内に国内の大学もしくは大学院に進学を考えている人を対象に、「社会人の大学・大学院進学に関する調査」を実施いたしました。
調査対象は、全国20〜59才の会社員・公務員のうち、5年以内に大学もしくは大学院進学を考えている人(19,688人のうち517人、2.6%)。調査手法はインターネットリサーチ。調査期間2007年4月4日(水)〜4月5日(木)。有効回答数は309名から得られました。

※今回の調査対象は、大学は学士課程、大学院は修士もしくは博士課程の進学を目的とする人に限定しました。聴講生、科目履修、公開講座等のみを目的とする人は除いています。

【調査結果概要】

【1】進学する際、現在勤めている会社は「そのまま勤めながら進学する」78%
5年以内に国内の大学・大学院へ進学意向のある社会人に、進学する場合、現在勤めている会社をどうするのか尋ねたところ、78%の人が「そのまま勤めながら進学する」と回答しました。また「退職してから進学する」が10%、「休職して進学する」が6%となりました。

【2】大学・大学院に進学したいと思った理由は
●「現在の仕事に関してより専門知識を身につけるため」51%
大学・大学院に進学したいと思った理由を尋ねてみると、「現在の仕事に関して、より専門知識を身につけるため」が51%、「仕事に関係なく、興味・関心のある分野の勉強がしたくなったから」が49%、「転職のため、知識と技能を身に付けたいから」が33%となっています。

【3】社会人の進学にあたっての不安は「学費の負担」が73%でトップ
●次いで「学校に行く時間を確保できるかどうか」が53%
大学・大学院に進学するにあたって不安があるかどうか尋ねたところ、「不安がある」と回答した人は75%となりました。さらにどのような不安なのか尋ねてみたところ、「学費の負担」が73%で最も高く、次いで「学校に行く時間を確保できるかどうか」53%、「家での勉強時間を確保できるかどうか」49%となっており、‘お金’と‘時間’に対する不安が大きいことがわかりました。

社会人の方が大学進学を考える際の各種条件は下記のようになっているんですね。

1.進学する際、現在勤めている会社は「そのまま勤めながら進学する」78%
2.大学・大学院に進学したいと思った理由は 「現在の仕事に関してより専門知識を身につけるため」51%
3.社会人の進学にあたっての不安は「学費の負担」が73%でトップ。次いで「学校に行く時間を確保できるかどうか」が53%

ということは、
「会社勤めでも通えて」
「専門知識を見つけられて」
「学費負担が少なくて」
「講義の時間を都合に合わせて選べる」

ということが社会人の方のニーズに応える大学というわけですね。
大学側にはそれぞれ経営事情がありますが、何より社会のニーズに応えられるようなシステム作りが必要なはずです。こうした調査結果を元に社会人学生の獲得戦略をシミュレーションしてみるのも、大学の意識変革に繋がるのではないかな・・・と思ったりします。