Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

学生の悩み、学友と解消 「ピアサポート」在仙大学導入

学生時代、大学のアドミッションズ・スタッフをしていたhigh190です。
アドミッションズ・スタッフとは、大学の入試広報に携わる学生スタッフのことです。
私はこれを4年間やりました。私は大学が好きでしたので、「自分の大学を少しでも広められたら面白いだろうな」と思って始めました。
(人前で話すのが苦手だったので、それを克服したい…という思いもありました。)
具体的にはこんなことをやってました。

    1. オープンキャンパスでの受付・誘導
    2. キャンパスツアー(在学生が学内を案内。普段の大学生活などを話して、受験生に「大学」を感じてもらう)
    3. 学生生活相談(在学生が自身の大学生活について、受験生と話す。ほぼマンツーマンで対応。)
    4. e-campus体験(私が通っていた大学はITに力を入れていたので、学生ポータルサイトの活用法等について実機を使って説明する。)

活動に参加して非常に楽しかったですし、参考になることも大きかったです。
その反面、人間関係に悩んだり、後輩にどう教えて良いのか迷うこともたくさんありました。
そこで気付いたことは、「悩みを聞くことは大変だけど、相手の悩みが解決すれば嬉しいし、誠実に聞けば自分自身の成長にも繋がる」ということでした。
こういった学生同士の悩み相談を「ピアサポート」といいます。これを公式に導入する大学が出てきました。

学業や生活の悩みを学生同士で助け合う「ピアサポート」が、仙台市内の大学で広がっている。人付き合いが苦手な学生の友人づくりを手伝ったり、上級生が下級生に勉強を教えたりと、内容はさまざま。サークルの加入率低下など大学生をめぐる環境の変化が、サポート制度導入を後押ししている。

東北工大太白区)の学生支援施設「ウエルネスセンター」が昨年4月、友達がいない学生に救いの手を差し伸べるピアサポート制度を始めた。協力してくれる学生を募ったところ、17人が手を挙げた。

メンバーはカウンセリングの基本を学び、支援を求める学生と一緒に講義を受けたり、周りに溶け込めるよう手助けしたりする。デザイン学科1年の大村真志さん(19)が「お手伝いした学生が、自然と人の輪に加われたときはうれしかった」と振り返る。

東北大(青葉区)は学生相談所の呼び掛けで2003年4月、講義についていけない学生に対し、上級生が勉強を教える「修学アドバイザー制度」を導入した。アドバイザーには、登録を希望した大学院生約30人を選び、支援を求める学生が申し込むと、学生相談所が同じ学部のアドバイザーを紹介する。

学生相談所の吉武清実助教授(56)は「サークルに加入しない学生が増え、勉強や学生生活の情報を先輩から得る機会が減っていることが背景にある」と指摘する。

東北大生協の学生生活実態調査によると、サークルに未加入の学生は06年は31.2%で、5年前と比べて3.1ポイント上昇している。
「『大学全入時代』になり、目的意識がないまま進学する学生が増えた。これまで以上に学生支援が求められる中で、ピアサポートは有効な手段だ」と話すのは、宮城教育大(青葉区)の高木力雄副学長(64)だ。

宮教大の新入生合宿研修では、上級生の有志が充実した学生生活を送るためのこつを助言する。年齢の近い先輩のアドバイスは教員の指導より効果的で「円滑に学生生活のスタートが切れる」と好評だという。

08年度以降、学生生活の相談を受ける学年担当教員に学生のサポートを付ける計画もある。メンバーとして登録した学生は研修を受け、悩みを抱えた学生を教員と一緒に支援する。

大学では「サークル」というコミュニティがあり、その中で同期での友人、先輩・後輩の関係が作られています。記事にもあるように、サークルに参加しない学生は学内のコミュニティから疎外されてしまうことがあり、友人関係を作るのが難しくなります。確かに大学では、入学後一ヶ月で卒業までの友人関係が決まるというぐらい、ある意味では閉鎖的な部分があります。
そういった面を大学が学生の力を借りてサポートする必要性が生じてきています。