Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

学生食堂を地域支援に活かす京都府と京都大学の取り組み

high190です。
京都大学の食堂で京都府内の古代米を使った食事が出されるそうで、売り上げの一部は古代米を栽培している集落の環境整備に充てるそうです。


高齢化が進む小さな集落の再生を手助けするため、京丹後市丹後町の上山(うえやま)集落で作られた古代米(紫黒米(しこくまい))入りの雑穀ご飯が6日から、京都大学左京区)の学生食堂のメニューに加わる。昨年、試験販売したところ好評だったため、本格的に売り出すことになった。売り上げの一部は、上山集落の環境整備にあてる予定だ。
上山集落は山あいにあり、住人は7世帯14人(10月末現在)。ほぼ半数が65歳以上という。農林業で暮らしを支えることが難しくなっているなか、地元で農業を営む桑原稔さん(58)が集落の特産にしようと、約10年前から古代米の栽培を始めた。毎年、地元の宇川小学校の5年生たちが田植えから草取り、稲刈りまで作業を手伝っている。
桑原さんは、4500平方メートルの田で数百キロの古代米を収穫し、旅館や民宿に販売してきた。2年前からは、府の「ふるさと共援活動」事業で、京都大大学院農学研究科の秋津元輝准教授のゼミが集落に入り、農作業の手伝いや資源調査などを続けている。
昨年12月、京都大の学生食堂で10キロ(2千食分)を試験的に販売し、1週間ほどで完売した。今年は200キロ(6万500食分)を用意し、6日から2カ月ほど提供する。歯ごたえのある独特の食感で風味も良い。秋津ゼミの学生たちが、古代米や上山集落を説明した「卓上メモ」を作り、食堂のテーブルに置く。
価格は、白米のライスS(180グラム)84円、M(260グラム)105円、L(360グラム)126円の各3円増しにする。上乗せ分の収益は、上山集落の再生に役立てるための基金として積み立てる。
桑原さんは「古代米の生産が、集落のみんなが食べていけるような生業になれば」と話している。

Wikipediaによる古代米の説明は以下の通りです。私は「古代米」という言葉を初めて聞きましたが・・・私だけ??写真で見る限りですが身体に良さそうな感じがします。

イネの品種のうち、「古代から栽培していた品種」「古代の野生種の形質を残した品種」として標榜されるものを指す言葉

大学で地域支援をする面白い取り組みだと思っていたら京都府も関係している事業のようです。自治体と大学、企業、NPO等が一体となって農村集落の再生に協力しているんですね。今までも大学と地域が様々な形で協力してきている様子が伝わってきます。



最近、地域社会と大学の関わりについて関心を持つようになってきました。これからの大学は、留学生の受け入れや海外の大学との共同研究など国際化を推進していかなければなりませんが、大学が国際的な広がりを見せる一方で自分たちの足下をより深く見つめる必要があるのではないでしょうか。大学は、地域との関わりによる地域共創の観点を持つ必要があると思います。まさしく"Think Global, Act Local"の実践ですね。