Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

慶應義塾大学の大麻事件に関する文部科学大臣コメントについて

high190です。
さて、昨日から大学関係のニュースで話題になっていることと言えば慶應義塾大学の学生が大麻所持で逮捕されたニュース。
これは慶應義塾大学だけの話ではなく、現在の若年層に共通する問題だと言えます。実際にこのブログでも大麻関係のニュースは何回かお伝えしてきました。

今回の問題に対して、文部科学大臣は次のようなコメントをしています。


慶応大の学生2人が学内で大麻を売買したなどして大麻取締法違反容疑で逮捕された事件で、塩谷立文部科学相は31日の閣議後会見で、「教育機関として、大学内で起きたことを、大人の問題として過ごすことはできない。大学の責任で再発防止に取り組むべきだ」との見解を示した。
事件について、「非常に遺憾」とした上で、同大で平成16年以降、学生ら5人が大麻にからんで起訴されていることを受けて、「一人でもこういうことがあれば、しっかり対応するのが当然」と、同大の対応の遅れを批判。
さらに、これまで青少年に対する薬物防止対策の対象に大学生が含まれていなかったことを踏まえ、「各大学へも薬物防止への取り組みを指導していく。大学生向きのパンフレットなどを作るなど、何らかのことをしていきたい」と述べた。

再発防止に取り組むのはもちろん大学の責任であることは理解できます。しかし、大麻問題の本質は若年層の人々に対して、大麻の流通経路ができあがってしまっていることにあるのではないでしょうか。大学側が講じられる措置としては、新入生ガイダンス等で大麻の危険性・違法性を啓発することなどが挙げられると思いますが、それだけでは不十分で社会全体の問題として取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。
むしろ、青少年に対する薬物防止対策の対象に大学生が含まれていなかったことの方が問題で、個別の大学を批判することでは何の解決にも繋がらないと思うのですが。
大学生向けのパンフレットを作ることよりも、警察庁と協力して大麻を提供している組織の摘発する方が、優先度が高いと思います。

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