Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

専門学校と大学の境界が無くなる日も近い

high190です。
文部科学省の検討会議で、一部の専門学校を新しい学校種として「1条校」に認定する計画があることが分かりました。


文部科学省の検討会議は20日、主に職業教育を担っている専修学校のうち、一定の水準を満たす専門学校や高等専修学校に新たな学校種を設け、学校教育法第1条が「学校」として規定している小中高校や大学などの学校種と同じ「1条校」に位置付けることを重要課題に挙げた報告書案をまとめた。
高卒を対象にした専門学校には、2007年度の新卒者の15%が入学。大学に次ぐ進学先として定着するなど高等教育の一端を担っている実態を考慮した形で、大学、短大などを含めた職業教育全体の中で、専門学校などの位置付けを検討するよう求めた。
文科省は最終報告を受け次第、中教審に審議を諮問する。
専門学校は2年制に加えて4年制課程の設置が可能になっており、卒業生は「専門士」や「高度専門士」の学位を取得できる。大学編入や大学院入学も認められるなど実質的に高等教育機関化が進んでいるのが現状だ。
一方、専門学校は1条校の位置付けでないため、私立の大学や短大などに交付されている国の私学助成は受けられず、1条校化によって財政上のデメリットを解消すべきだとの意見が出ていた。

ちなみに1条校とは、学校教育法第1条で規定されている学校のことを指します。

この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。

記事中にもあるように、1条校でない学校は国からの私学助成を受けることができません。しかし、実際には大学への編入や大学院入学が認められるなど、高等教育の一翼を担っているのは事実であり、一定の条件が付けられるとは思いますが、専門学校の1条校化は確かに必要なことだと考えられます。
ただ、新たに1条校を増やす以上、現在高等教育を担う大学と専門学校の棲み分けをいかにして行なうかが極めて重要になってきます。

例えば、東京の新宿に新しく校舎を造ったHAL東京。

色々な学科がありますが、昼間コース4年制とあります。このような専門学校と大学の扱い、学位はどうするのかなど色々難しい部分があります。
大学にとっては新たな競争相手ができることになりますし、こうした情報は大学職員として継続的に収集していかないといけません。

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