Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学移転に伴う学生負担とは

high190です。
東洋大学がキャンパスの一部を東京に移転する件で、保護者向けの説明会が実施されたとの事です。

板倉町東洋大国際地域学部が来年4月に東京都内に移転する問題で、同大による父母説明会が13日、同町泉野の同大板倉キャンパス内で行われ、経済面などで不安を訴える声が上がった。一方、大学側は記者会見で既存学部に増設する2学科の定員を各100人にすることを明らかにした。
説明会には、同学部生の父母ら約100人が出席。松尾友矩学長らが主に移転の経緯などについて説明した。同大や父母らによると、出席者からは住居や通学など学生生活で新たに生じる経済面の問題について質問が相次いだほか、「(板倉で学ぶという)入学時の条件と違う」「移転が急すぎる」などの質問や不満の声が上がった。大学側は学生に実態調査を行った上で、対応を考えていくと答えた。
北海道から来た同学部1年の女子学生の父親(53)は「大学は住居を仲介してくれるというが、経費がかかりそうで困っている」と話していた。同大は「保護者に納得してもらえるよう対策を検討し、随時情報を提供していく」としている。
一方、同大は同キャンパス内で記者会見を開き、板倉キャンパスに残る生命科学部に、現在の生命科学科に加え、2009年までに「応用生物科学科」(仮称)と「食環境科学科」(同)の2学科を増設し、定員は各100人とする構想案を発表した。今年4月に文部科学省に申請する方針。
応用生物科学科は、生物の働きを利用して環境に優しい物つくりの考え方などを学び、食環境科学科では、食を通した実学などを学ぶ。これにより、同学部は3学科定員300人体制になる。同大は「(少子化の時代だが)少し無理をしてでも、地域発展のためにこの体制を整えたい」としている。実験施設などは、新設することを検討している。

なお、東洋大学国際地域学部のWebサイトには移転に関する情報が掲載されています。

なるほど、移転の通知を出したのが先月の20日なんですね。上記のページを見ると、平成20年4月入学者は2年時以降白山キャンパスで修学するとあります。今年度入学した学生の保護者からすると、想定していなかった経済的負担が生じるので(交通費など)大学側は保護者に対して納得のいく説明をする必要があるでしょうね。ただ、学校の移転に関しては用地取得の問題などから事前に計画を発表できないことがほとんどです。(特に公募での用地売却の場合、応募していても正式に決定されるまでは当然、公にできない話なので難しい部分があります)
経営計画と個々の学生事情とで東洋大学の方は大変でしょうが、双方に納得のいく結果になることをお祈りしています。

にほんブログ村 教育ブログ 大学教育へ