Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

ウィーン、観光学MBAを取得できる大学開校

high190です。あまり観光に出かけることがないのですが、ふとした時に行きたい場所を思いついたりします。
私は思いつきで行動することが好きです。(意図的に計画しない方が面白い)
思い立つがまま、自分の好きなところに行くというのも新しい発見があって楽しいです。
さて、最近では日本でも観光学系の学部を設置する大学が増えています。ただ、学部レベルであってあまり大学院までというのは聞いたことがありません。
今日は海外の大学で観光学のMBAコースが設置されている事例をご紹介します。

ウィーンに2007年10月、観光学のMBAを取得できる大学「モドゥール・ウィーン大学」が開校する。これはウィーン代表部の母体機関であるウィーン商工会議所の公的管理支援とウィーン経済経営大学の協力の下で開校するもの。このほど同大学の教育事業推進本部長らが来日、日本からの入学生誘致を働きかけた。日本ではウィーン代表部が日本の観光専門学校、観光関連大学などにコンタクトをとり、PRを開始しており開校当初は「日本から20名程度の入学生を見込んでいる」(大学側)としている。

モドゥールは100年の伝統をもつホスピタリティとツーリズムに関する研修センターで、ホスピタリティとツーリズムの高等専門学校、ホスピタリティ&ツーリズム・マネージメントの2ヶ国語ディプロマコース、ホテル・マネージメント国際研修コース、大学プログラムの4プログラムをもつ。この中でこのほど開校する大学プログラムは、ツーリズム&ホスピタリティ・マネージメント経営学学士(BBA)、ウィーン経済経営大学と提携したツーリズム・マネージメント専門経営学修士(プロフェッショナル・MBA)、公共ガバナンス・マネージメント経営学修士MBA)のプログラムをもち、授業者全て英語で行われる。プログラムでは短期留学などのコースは現時点で用意していないものの、要望ベースで2週間から3週間程度の実施が可能だという。

オーストリアは芸術・文化で世界的に知られる都市です。こういった大学が開設されるのが当然のように思えます。オーストリアの2005年一人当たりGDPは世界10位だそうですので、経済的に豊な国であると言えます。
国家歳入の内訳で、どの程度観光が占めているのかは分かりませんが、重要な政策課題であることは間違いないでしょう。現在も観光に力を入れていることから、観光学を学ぶためのバックボーンは十分にそろっています。記事中には「日本からも20名程度の入学者を見込んでいる」とあります。観光学のスペシャリストを輩出するために旅行代理店や航空会社などが、社内で希望者を募って留学なんてこともありそうです。
私は日本にも魅力的な施設・環境は十分にあると考えていますが、その反面、人を誘致することがあまりうまくないのではないかと思います。観光学的な観点から、戦略的に観光者を増やす施策を考えられる人材が求められていると思います。

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個人的にはウィーンで学生生活をしてみたい…と思った事例です。
まあ、講義は英語で日常会話がドイツ語ですから、私のような人間には無理そうですが(笑)
「美しい世界遺産に囲まれて過ごす学生時代」というものは、学業以外にも得るものがたくさんありそうですね。