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Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

サッカーの宮本恒靖氏が入学予定の「FIFAマスター」とはどのようなプログラムなのか?

Diary Foreign

サッカーが好きなhigh190です。
2002年の日韓W杯、2006年のドイツW杯で活躍した宮本恒靖氏が、7月16日(月・祝)に引退試合を行いました。学生時代に日本代表の試合を見ていて必ずピッチに立っていた人物が引退するということは、自分自身もそれなりに年齢を重ねてきたことを実感する出来事だったと思います。
これまで日本サッカーを牽引してきた選手ですので、今後の動向が気になっていましたが、FIFAマスターという大学院プログラムに進学することになったようです。


(中略)

とはいえ、プレーする場が減れば、どうしても身の振り方を考えざるを得なくなる。11年が始まったころは「まだやれる体だし、現役を続行したい」という意思が強かった。松本山雅(当時JFL)に移籍した松田直樹のように、カテゴリーを落として新たなクラブの発展に貢献する選択肢も視野に入れ始めた。実際、オファーもあったという。そんな矢先に松田が急逝。宮本も激しいショックを受け、その方向性はいったん白紙に戻さざるを得なくなる。だが、年俸を下げて神戸と再契約する道もピンとこない。34歳という年齢も踏まえ、選手生活に一区切りをつけ、新たなキャリアを踏み出すべきではないか、という考えが次第に大きくなっていった。
そんな時、浮上したのがFIFA国際サッカー連盟)マスターへの進学だった。宮本のマネジメントを担うFIFA公式代理人・大野祐介氏が日本サッカー協会幹部から「元選手はみんな指導者になるけど、クラブマネジメントの方に進む人がいない。FIFAマスターで勉強するのもありじゃないか」と案をもらったことが、決断に至るきっかけとなる。
FIFAマスターとは、スポーツに関する組織論、歴史、哲学、法律についての国際修士。同志社大時代に経済学を学んでいた宮本にしてみれば、極めて興味深い内容だった。10カ月の間に英国、イタリア、スイスにある3つの大学を回って勉強するというカリキュラムも国際派の琴線(きんせん)に触れた。国内での指導者への転身、大学への復学などの話もあったが、すべての選択肢の中で最も魅力的に映ったのが、このFIFAマスター入学だったのだ。
「そこへ行けば、ビジネス的なバックグラウンドを持った人間たちと交流できる。自分はサッカーの現場に近いところはよく知っているけど、それ以外はあまり知らない。1年という短い期間だけど、未知なることを吸収して、その後に何が見えてくるかがすごく楽しみ」
そう本人もうれしそうに語る。そこから指導者を選ぶか、サッカー界全体をマネジメントする道に進むかは、まだ分からない。が、彼らしい形で日本サッカー界に貢献していきたいという考えは非常に強い。

恥ずかしながら、こういったプログラムがあることを知りませんでした。FIFAのサイトに概要が掲載されています。

学位プログラムの詳細は上記リンクではあまり確認できませんでしたが、EUが提供する"Study in EUROPE"というサイトに入学資格や授与される学位名称などが掲載されていますので、*1あわせてご確認いただければと思います。10ヵ月間のプログラムで、9月から12月はイギリスのDe Montfort University、1月から3月はSDA Bocconi School of Management、4月から6月はスイスのUniversity of Neuchatelで学ぶプログラムです。EUではエラスムス計画によるヨーロッパ大学間ネットワークが構築されており、*2FIFAマスターのような3カ国で学ぶプログラムの構築が可能になっています。他国が隣接するヨーロッパの地域特性を活かしたプログラムですが、各々の強みを活かしたプログラム構築が可能という点では、日本においても取り入れることができる制度だと思います。
サッカーに話を戻すと、宮本氏のように代表クラスで活躍した選手がFIFAマスターに進む例は無かったようですので、このプログラムを修了した後の宮本氏がどのように活躍していくのか今から楽しみです。

その他、FIFAマスターを修了した方が入学前から修了までの軌跡をブログに書いていらっしゃるので、イメージを掴む一助としてご紹介します。*3

(2013/08/05追記)
FIFAマスターを修了した宮本恒靖氏による記事「僕が考える日本サッカーの未来図」がスポーツ雑誌のNumberで公開されています。FIFAマスタープログラムの内容なども詳細に語られていますので、是非ご一読を。*4

*1:FIFA Master - International Master in Management, Law and Humanities of Sport http://goo.gl/bsqop

*2:エラスムス計画 http://goo.gl/ryOvC

*3:FIFA Masterへの道〜Road to FIFA Master〜 http://fifama.blog132.fc2.com

*4:FIFAマスターで学んだもの>宮本恒靖「僕が考える日本サッカーの未来図」 http://number.bunshun.jp/articles/-/599126