Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

通学時の安全確保を目的とした学校間連携

high190です。
学校を標的とした事件などが増えている昨今、通学時の安全確保は学校にとって義務になりつつあります。児童・生徒・学生が安全に通学できる環境整備も学校に求められる以上、単独での実施が難しい面も出てきています。同一地区に所在する学校同士が連携すれば、より各学校の負担を軽減した形で通学時の安全を確保することが可能です。過去記事でもお知らせしましたが、災害時や緊急を要する場合にはより学校と地域が緊密な連携を取れるかどうかが安全確保という点で非常に大きなポイントになります。

[過去記事]
学生が主体となって「減災」(2007/09/07)

東京都の小平市にある4学校法人では、協力して通学時の安全を確保するための取り組みを実施しています。

小平市の西武国分寺線鷹の台駅周辺の4学校法人が連携し、学生や児童・生徒の通学時の安全確保に力を入れている。今月5日には、登下校を見守る警備員のための「通学安全ボックス」の運用も始まり、活動を活発化させている。
連携しているのは、いずれも同駅周辺に校舎やキャンパスがある白梅学園、創価学園武蔵野美術大学津田塾大学の各学校法人。昨年3月に「鷹の台地区学生生徒通学安全環境推進協議会」を発足させた。
各学校法人が運営する幼稚園や小中学校、高校、大学の園児や生徒らを合わせると1万人近い。多くは同駅を利用して通うが、通学路となる玉川上水沿いの遊歩道は木々に覆われており、日中でも薄暗い。過去に声かけ事案や痴漢が出没したこともあり、同協議会は昨年4月、通学路沿いへの街灯設置を市に要望し、同年7月には「青色防犯灯」11基が設置された。
また、同駅前に交番はあるが、各学校などからは600メートル〜1キロほど離れているため、今年4月からは警備会社に委託して独自に警備活動を行っている。警備員は毎週月〜土曜日の午前7〜9時30分と午後2〜6時に各学校などから同駅のほぼ中間地点までの通学路を監視し、周辺をパトロールする。この後、不審者情報はなくなったといい、武蔵野美術大総務課の平出哲朗課長は「抑止効果が出てきているのでは」と話す。
通学安全ボックスは、警備員の活動拠点として、同協議会が市有地を借りて建設した。同大OBで建築家の松家克さんが設計を担当し、環境に配慮した材質を使う工法を用いた。松家さんは「色はグレーを使い、目立たずに自然の景観を損なわないようにした」という。面積は約4・5平方メートルで、小さいデスクや電話などを置く予定。屋根のひさしを長くしているため、警備員は雨風をしのぎながら登下校を見守れるようになる。
地元の小平署もボックス設置を歓迎。通学路周辺のパトロールは重点的に行っているが、遊歩道は目が届きにくい場所も多い。同署生活安全課の窪田善一郎課長は「独自で警備活動をしてくれるのはとても助かる。今後も連携を強化して、子どもたちの安全を守りたい」としている。

この取り組みは学校間の連携もさることながら、地域貢献の一環としても効果があるものではないでしょうか。子どもを地域で守るという視点は、本来社会教育が担うべきものですが、現在の日本ではほぼ崩壊してしまっていると言っても過言ではないと思います。学校と地域が連携することは、双方が一体になって安全確保に努めていくことです。こうした取り組みがさらに広がるといいですね。

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