Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

オバマ大統領が米大学に学費抑制を求める

high190です。
アメリカのオバマ大統領が米大学に対し、高騰する学費を抑制するよう求めているようです。


オバマ米大統領は9日、テキサス州オースティンで演説し、米産業界の国際競争力回復のため、学費を抑制して幅広く国民に大学教育を受ける機会を与えるなど、教育改革の必要性を訴えた。
オバマ政権は教育の質向上を重要政策と位置付けており、11月の中間選挙に向けて有権者へのアピールを強めている。
演説でオバマ氏は、米国はかつて25〜34歳の短大卒以上の人口比が世界一だったが、2007年に12位に後退(日本は4位)したことを問題視し「教育でわれわれに勝る国は、将来的な競争力でも上回る」と強調した。
オバマ氏は問題点の一つとして大学の学費高騰を挙げ、各大学の抑制努力が「十分ではない」と批判。一方で、学生ローン改革法を成立させ運営効率化を実現したと自賛した。

どの国でも高等教育の費用が高いことの指摘がなされるようになってきたと感じます。
充実した教育を提供しようとすればするほど、施設・設備の充実や図書の拡充など大学運営の費用は高くなると思いますが、オバマ大統領が言うように、国家の将来的な競争力に教育が与える影響は大きいと思うんですよね。教育政策は効果が出るのに一定の時間を要するため、政策決定や実施後のモニタリングが難しいですが、国家戦略と教育をリンクして考えることは大きなトピックだと思います。
また、記事中にあるとおり日本は2007年時点で25〜35歳の短大卒以上の人口比で4位にランクしていますが、日本の場合、進学率だけを見て安心するのではなく、日本の各大学が独自性を発揮してどのように学生を教育し、社会に送り出すかが問題ではないかと思います。そういう点では進学率だけが国の競争力になるのではなく、学校と社会システムが結び付き、有機的に連携しているかどうかが重要になってくる訳です。学校と社会システムの隙間を埋めるのは、ソーシャルビジネスやコミュニティビジネスなのではないか?と最近では考えています。

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