Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

愛媛大学がユニークな大学院を設置

high190です。
愛媛大学が来年度から日本初の「紙産業特別コース」という大学院修士課程を設置するそうです。


愛媛大が来年4月に紙をテーマにした全国初の大学院修士課程「紙産業特別コース」を設けるのを前に、同コースが開かれる愛媛県四国中央市の県紙産業技術センターで16日、同センター内の3工房を無償貸与する引き渡し式が行われた。
同コースは、経済産業省の「産学連携人材育成事業」の採択を受け、同市の製紙企業や松山、香川、高知の3大学から講師を迎え、業界で中核をなす人材育成を目指す。
この日開かれた引き渡し式には、県や市、愛媛大の関係者ら約20人が出席。佐伯満孝・県経済労働部長から林和男・愛媛大農学部長に、無償貸与される「水引工房」と「手すき工房」、「試作品づくり工房」の3工房(計420平方メートル)の目録が手渡された。
3工房は今後、講義室や実験室、実習室などに整備される予定。定員6人程度に対し、既に社会人男性5人が選抜試験に合格しており、愛媛大は若干名を募集している。林学部長は「現場のことをよく知り、課題を発見、解決できる人材を育てたい」と話した。

具体的には愛媛大学農学研究科生物資源学の特別コースのことを指すようです。

(上記Webサイトより一部抜粋)

今回の「紙産業修士コース」は学部卒業後の大学院生ならびに企業等の社会人を対象として、専門職型大学院としての位置付けで、将来、紙産業界に幹部候補生として就業することを想定した科目設定になっています。 受講生には高度な紙産業技術を習得するだけでなく、新商品の開発から新規市場の開拓までマーケティングやマネージメント力も習得するようなプログラム構成となっています。今後の四国の紙産業界全体の発展を担う「技術と経営のマネージャー」の育成を目標としています。

特定の業界への就業を目指すような大学院、最近増えてきていると思います。
設置にあたっては大学院に対するニーズをどのようにくみ取って、カリキュラムに反映させていくかがポイントになります。技術と経営のマネージャーの育成を目標としているそうですから、MOT(Management of Technology)のような大学院ということになります。
ただ、愛媛大学のWebサイトを見ると、取得できる学位は修士(農学)のようです。専門職的な内容ではあっても、設置にあたっては課程制大学院にしているのは、博士課程まで連結させたいからなんでしょう。設置基準上の必要教員数など、大学のが持つ人的資源の関係もありますしね。ユニークな大学院は設置時に話題を呼びますが、開設後は教育・研究内容で話題になれるよう、頑張ってほしいものです。

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