Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

アメリカでゲーム開発の教育課程を設置する大学が増加している

high190です。
アメリカの大学でゲーム開発の教育課程を設置する大学が増えているようです。


3D表現等に見られる技術格差や、所謂日本ゲームと海外ゲームの差などにビジネス的な側面も含め論じられる事が多い昨今ですが、アメリカでは大学を中心にゲームビジネスに関する教育に大きく力が入れられているようです。
現在アメリカの大学では年々ゲーム開発に関する学位を得る為のコースが増えており、The Entertainment Software Association(ESA)の調査によるとアメリカ国内の254の大学がデザインやプログラミング、アートといったやゲーム開発の学位を得る為のコースを儲けており、コースの数が2008年から27%の増加を記録しているとの事。
さらにペンシルバニア大学をはじめ、いくつかの大学では修士課程までゲーム開発のコースを延長するケースも見られます。
ESAによると多くのデベロッパーが集中するカリフォルニアの大学が最もゲーム開発に関するコースを擁しており、その数はなんと46課程にも上ります。アメリカ国内2位のコースを持つニューヨークは21課程となっており、カリフォルニアには実に2倍以上の過程が存在する事になります。
またアメリカ国内ではゲーム開発に関する学位は単に急成長している娯楽産業に目を向けているだけではなく、今後の教育全般に関する事やビジネスの中での職業訓練やeラーニングにますます活用されるであろう事を踏まえている様です。
ESAはeラーニングの利用がますます増えるであろう根拠として、雇用者の実に70%が新入社員の訓練の為にインタラクティブなeラーニングソフトを使用しているというKRCリサーチによる調査結果を引用しています。
こういったアメリカでの情勢を踏まえて「Modern Warfare 2」や「Uncharted 2: Among Thieves」を見ると、非常に感慨深く、そして色々な事に思いを馳せずにはいられません。

なるほど、単純に娯楽としてのゲームのみを開発するのではなく、職業訓練やeラーニングも視野に入れた教育課程の設置なんですね。確かに今後、インターネットを通した教育はさらなる市場の拡大が見込めます。そのためにゲームを活用してより高く楽しい教育効果が得られる可能性があります。
日本でも既にNINTENDO-DSを授業で活用する学校やiPhoneを配布する大学など、ゲーム的要素を教育に取り入れる取り組みが行われてきています。今後、より一層ゲームの教育分野での活用が進む可能性が高いものと思われます。

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