Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

現実を冷静に考えさせる説得法をオハイオ州立大学が研究

high190です。

理想と現実。これは誰もが直面するものだと思いますが、これを大学生に置き換えると、就職活動が最も理想と現実のギャップに悩まされるものなのではないかと思います。
夢を追いかける姿勢を否定するつもりはありませんが、現実的に自分の人生を考えてもらうにはこういったアプローチも有効だと思います。


かなわないキャリアを夢見ている人を説得して、あきらめさせるにはどうすればいいのか。オハイオ州立大学がこのような研究結果を発表した。
研究の結果、このような夢をあきらめさせるには、単にスキルや成績の不足を指摘するだけでは不十分で、「目標を追い続けて失敗したときにどんなひどいことになるか」をはっきりと示す必要があることが分かったと、同校の研究者は述べている。
この研究は、経営学と心理学を学んでいる同校の学生を被験者として行われた。被験者らは「経営心理学者として高給のコンサルティング職に就く」ための資格を取れると称する架空のプログラムの説明会に参加した。

目標を追い続けることのリスクを明示することが重要なのだそうです。確かに「何故あきらめた方がいいのか」ということをはっきり理解してもらうには、あきらめないことによるリスクをしっかり目に分かる形で示すことだと思います。

この研究に参加したオハイオ州立大学の心理学準教授パトリック・キャロル氏は、3番目のグループの学生が資格取得への興味を失ったのには、不安が大きな役割を果たしたと指摘する。失敗した場合にどうなるかをはっきりと示されたことで学生の不安が高まり、夢をあきらめて、資格が取れないだろうという事実を受け入れたことで不安が低下したという。
キャロル氏は「ほとんどの人は簡単には夢をあきらめない。失敗したらどうなるかをはっきりと見せることが必要だ」とし、特に学生が就職活動の準備をする際に、この研究結果は重要だと述べている。「教師は学生を最も現実的な選択肢に導こうとしている。夢を追いかけるよう励ましたいが、学生たちに自分の能力や才能に関して誤った期待を持たせることはしたくない」

これは就職活動をする学生を支援する側、キャリアカウンセリングの中で使えそうなアプローチ方法です。
学生にただ頑張れと接するのでもなく、最初から無理と相手にしないのでもなく、何故あきらめた方がいいのかをしっかり教えるということは学生にとってもいいことなのかも知れません。
また、リスクを承知の上でそれでも挑戦したいという学生は排除することなく、しっかりサポートしたいものです。要は学生自身が自らのキャリア形成に対して能動的で、かつ明確なビジョンを持つように仕向けることが重要なのですから。

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