Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

プロ野球球団と大学の提携、そこから生まれる新しい息吹は何か

high190です。
西武ライオンズが大学との提携を模索しているとの記事がありました。最近ではスポーツマネジメントの観点から、プロスポーツと大学が提携する事例が増えてきています。


広告費削減などプロ野球界にも不況の波が押し寄せる中、元気な球団がある。昨季日本一の西武だ。法人営業の目標は、強気に前年比プラス2億円。専門営業マン7人を中心に20人のチームで練り上げる今季の戦略とは−。
昨年12月、球団の営業マンが西武鉄道沿線にある埼玉県内の大学を訪れた。提案書には「御校とのパートナーシップ契約について」。各部門の責任者が行う野球ビジネスの特別講義、インターン生の受け入れやオープンキャンパス開催…。多彩な提案に大学側も興味津々だった。地域密着を進める球団と、名前を高めたい大学。球界では珍しい新ビジネスが今春に動きだす。
ほかにもビジネスが眠っていた。昨年の西武ドーム68試合の中継映像からフェンスなど球場内の広告を徹底検証。露出度が高い場所で、さらに高値で売れる広告や、30カ所の新たなスペースも探し出すことができた。
外野フェンス広告主の金融会社を「少し上乗せすれば、これだけ価値のある場所に」とデータを片手に説得。露出の多いベンチ前の契約を成立させた。荒原正明事業部長(40)は「不況で企業も苦しい。だからお金を出す理由を明確にする」。
営業部門は一昨年の裏金問題を機に、組織を変えた。スポーツ経営学を学んだ幹部を中心に、他球団からも人材を集めた。地域密着を旗印に掲げ、昨年は大宮公園野球場さいたま市)での開催も初めて仕掛けた。2008年の観客動員は前年比32万人増を記録。上昇率は12球団一の約30%だった。
スポーツマネジメントが専門の広瀬一郎多摩大大学院教授は、不況下でスポーツ界が生き残るためのキーワードに「公共性」「地域」などを挙げる。「西武はノウハウを持った人材を入れて産業再生した。何をすると何の価値が上がるか。それを分かった上で戦略を切っている」と評した。

不況の影響で広告費を削減する企業が増える中で、効率的な広告効果をアピールして契約に結び付けるというのは大いに効果的な営業手法だと思います。ただ、野球チームの外野フェンスの広告というのは、当該球団の試合を観戦しにきたファン及び試合がテレビ放映された際にテレビを観ている人に対象が限定されます。
ただでさえ、テレビ離れが進んでいる以上、そこまでの効果は期待できないように思えてしまうのですが、どうなのでしょうか。

個人的には、広告の展開よりもインターンシップの受け入れやオープンキャンパス開催に関する提携という点では面白みがある内容だと思います。野球チームと大学が提携したオープンキャンパスってどんな感じなんでしょうか?選手を派遣するとかなんでしょうかね。野球に関心のある受験生に対する訴求効果はなかなか馬鹿にできないかも知れません。

提携って、同じような分野同士で行うよりも全く異なったDNAを持った組織同士が行うことの方がずっと面白い結果を生むんじゃないかと思うんですよね。もちろんそれだけ両者の文化がぶつかり合う訳ですけど、衝突から生まれる新たな理解というものもある訳で。

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