Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

学生職員が参加するダイナミックデジタルサイネージ実験を慶應SFC研究所が実施

high190です。
慶應義塾大学SFC研究所が、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの学生・職員を対象にしたダイナミックデジタルサイネージ実験をNTTレゾナントと共同で実施するそうです。

ちなみにデジタルサイネージの定義はWikipediaによると、

デジタルサイネージ(Digital Signage)とは、表示と通信にデジタル技術を活用し、従来の印刷ポスター等に代わって平面ディスプレイやプロジェクタ等によって映像や情報を表示する新たな公告媒体である。

とのことです。新しい広告のやり方ということですね。このあたり、Web技術に関して日本の大学の中でも先導的な役割を担ってきた慶應SFCならではの取り組みと言えるものです。

慶応大学SFC研究所アンワイヤード研究コンソーシアムは、同大学構内で、NTTレゾナント株式会社が主体となり、ダイナミックデジタルサイネージ実験を2009年の1月に実施するため、同大学SFCの学生や院生、職員の参加者の募集を始めている。
予定されているダイナミックデジタルサイネージ実験内容は、同大学メディアセンタ、サブウェイ、本館前バス停付近に設置されたディスプレイに、ディスプレイの設空間内の参加者に合った情報(CMや地域情報など)が表示されるというもの。
この実証実験では、メディアセンタ、サブウェイ、本館前バス停付近にいる参加者が、あらかじめ主催者から配られた無線タグを携行しており、そのIDと位置情報を取得し、その場の雰囲気(例えば男性が多い、4年生が多い、など)を把握することで雰囲気にあった情報を表示される。そして、コンテンツ訴求力の向上や誘導効果などをタグの情報による客観的評価や被験者アンケートによる主観的評価が行なわれる。

気になる実験の内容は、

【ご協力頂く内容】
・属性情報(性別、学年、食嗜好、誕生月、似ている芸能人、メールアドレス)をご提供頂きます(※個人情報とプライバシに関するガイドライン)。
・実験期間中は支給する電子タグ2つを携行して頂きます(2つで一組、かばんにつけられる小さなケースに入れてお渡しする予定です)。
電子タグのイメージ
無線タグシステムの一部として文部科学省科学技術振興調整費による委託業務「先端融合領域イノベーション創出拠点の形成コ・モビリティ社会の創成」で開発した技術を使います 電子タグのイメージ

・実験期間中に1回、電池交換をお願いします(電池は支給いたします)。
・実験期間終了後にWEBアンケートにお答え頂きます。

以上が、同実験の概要であるが、WEB上で例えるなら、ひとつのポータルサイトに配信される、コンテンツ内容やキーワードで変わるリスティング広告の路上版にも思える同実験、ストレートに顧客属性が把握されることで新たな広告モデルのビジネスになると期待されていると予測できる。しかし、反面、募集内容にある個人情報提供の項目にあるとおり(自分がどのような芸能人に似ているか等)どこまでの個人情報を特定させるのかなど、これらの情報が他のデジタルサイネージとネットワークされていった場合の個人属性など、どこまで扱うかの等の問題も考えられるところ。今後業界内では、それらの検討も含めて総合的な検討が必要になっていくと見られる。

面白い取り組みですね。学生職員を巻き込んだ実験という、大学の自由闊達な雰囲気に魅力を感じます。

にほんブログ村 教育ブログ 大学教育へ