Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学のデジタルアーカイブをQRコードで

岩手大(平山健一学長)は8日、携帯電話のQRコード読み取り機能を活用し、昔のキャンパス風景や建造物の画像を見ることができる「岩手大学タイムナビゲーション」を盛岡市上田3丁目の同大キャンパス内に設置した。同大教育学部芸術文化課程の田中隆充助教授の標記研究の成果で、学生や地域住民に気軽に歴史を知ってほしいと期待を込める。

タイムナビゲーションは、高さ約1メートルのステンレス製パネル。教育学部、人文社会科学部、旧正門・旧門番所・ポランの広場、農業教育資料館の4カ所に設置した。パネルにはQRコードと「過去の大学へお連れします」との案内が記されている。

携帯電話でQRコードを読み込むと、1カ所ごとに年代の違う3枚の画像が取り込める。教育学部のパネルは1948年、63年、83年の3画像。

ガイドブックや書籍では味わえない臨場感が魅力だ。画像は同大で保存していた資料を活用。パネル設置費は4台で約20万円。

田中助教授は10年ほど前に「見る歴史」を考案した。携帯電話の普及や低コストで利用できるQRコードに着目し、昨年7月から「携帯電話のQRコード読取り機能を活用したアーカイブ化に関する基礎研究」を進め、実現にこぎ着けた。

今後、教職員や学生の反応を調査し、来年度のパネル増設も検討している。

田中助教授は「昔の画像をその場で見ると、景色だけでなく文化も感じ取れる。盛岡市内の観光地にも『タイムナビゲーション』を広げたい」と夢を広げる。

大学の沿革というと、分厚い冊子が思い浮かびますが岩手大の事例は見せ方がスマートです。
デジタルアーカイブしたデータを有効活用するために、QRコードを活用して多くの人に見てもらおうという取り組み。
(せっかく沿革情報をデジタル化しても、データを大学のサーバー上に置きっぱなしでは意味がありません。それでいてわざわざ調べる人の方が珍しいのが実情と思われます。)

教職員・学生の反応次第では追加されることもあるようですので、是非先進事例を作っていただきたいですね。