Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

Webを使った大学のオープン化、講義の公開に強い期待〜gooリサーチ結果

「開かれた大学」とよく言われますが、講義情報の公開も当たり前になりつつあります。

gooリサーチを提供するNTTレゾナント慶應義塾大学は、全国のgooリサーチ登録モニターを対象に「大学の講義の公開」に関する調査を実施、9日に結果を公表した。本調査は、慶應義塾大学日本オープンコースウェアコンソーシアム(以下JOCW)の経験を踏まえて、NTTレゾナントと共同で調査の企画・設計・分析を行ったもの。

有効回答者1,050名のうち、講義内容公開している大学の取り組みについて肯定的に評価した人が79.4%、「講義内容を見られるWebサイトを利用したい」と回答した人は83.5%を占め、大学が講義内容を公開することへの関心の高さがうかがえる。大学が講義内容を公開すること自体に対して、どのような社会的メリットがあるかを尋ねたところ、「大学のオープン化」を挙げた人が59.6%ともっとも多かった。次いで、「複数の大学の講義内容が比較できる(44.6%)」「大学に対して社会的な関心が高まる(42.6%)」がこれに続いた。

受講の目的としては、「趣味や教養を高めるため」と回答した人が全体の7割にのぼる一方で「実際に受講したい講義」としては、「資格取得に結びつくようなもの」、「その大学の得意分野」といった実用的な内容を望む声が多くあがった。また、大学のこのような取り組みは「国公立、私立の有名大学」にとどまらず「できるだけ多くの大学」に実施してほしいという声が6割以上を占め、今後このような取り組みが広がることへの期待の高さがうかがえる。なお、講義の提供媒体としては、従来型の「講義ノートや資料」が68.5%と、IT技術を活用した「映像(56.7%)」や「音声(26.6%)」を上回っている。

もっとも講義内容を見たいと思う大学を自由記述形式で尋ねたところ「東京大学」が261件と、回答総数の約半数を占めた。次いで「早稲田大学(96件)」「京都大学(69件)」「慶應義塾大学(59件)」が挙げられている。

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