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Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学職員の能力を高めるために、高等教育関連の学会に入会してみよう

Diary Staff Development

high190です。
最近では高等教育に関連する学会に入会する大学職員の方も増えてきたように思います。かくいう私も2つほどの学会に入会して、学会誌などを拝見し、高等教育に関する動向の把握などに努めています。
ただ、どういった学会があるのかご存知でない方もおられるかと思いますので、それぞれの学会の特色も含めてご紹介してみようと思います。


いわずと知れた?大学職員で構成される学会で約1,300人もの会員数を誇ります。1997年に設立されました。high190も今年初めて研究集会・総会に参加しましたが、大学職員間の人脈を広げるにはとてもいい機会かと思います。*1地区別研究会とテーマ別研究会から構成され、それぞれのテーマにあわせて参加を検討することができるので、どういった部署に所属していても役立つ情報が得られるだろうと思います。また、初代会長は「大学アドミニストレーター」を提唱した孫福弘さんです。職員と教員の両方を経験し、大学経営にも関わったまさしくアドミニストレーター。2004年に急逝されたのが本当に残念でなりません。生前に発表されていた資料は今でも読み応えがありますので、是非ご覧になってみて下さい。*2 *3
ひとつだけ難点を挙げるとすれば、この学会は「日本学術会議協力学術研究団体」*4ではなく、どちらかというと実務のケーススタディ等が取り扱われるため、アカデミックな観点から大学にアプローチしたい人にとっては、やや物足りない面があるかも知れません。ただ、それを補って余りある内容ではあると思いますが。

次は大学教育学会です。high190はこちらの学会にも入会しています。もともと、一般教育学会という名称で1979年にスタートし、その後に大学教育学会に名称が変更されました。参加しているのは大学教員の方が多いのですが、スタッフ・ディベロップメントに関する論文なども掲載されているので、大学職員でも参加する意義は大きいと思います。

本学会は、1979年12月「一般教育学会」として発足した大学教育に関するパイオニア的学会です。1991年の大学設置基準(文部省令)の改正により科目名としての「一般教育」が廃止されたことを受け、1997年6月「大学教育学会」に名称を変更しましたが、発足以来一貫して大学教育の大衆化に伴う「大学教育研究」の開拓を志向し、かつ広範な大学教員が参加する「大学教員としての自己研究」活動(FD型研究活動)に主眼をおいて活動をしています。知識基盤社会が進展し、大学教育の果たす役割の重要性が再認識されるなかで、大学教育の改革に関して、いわゆる現代化を推し進めるとともに、本来的な人間形成機能の再生をめざしています。


次にご紹介する日本高等教育学会は1997年に設立された学会です。実数が分からないのですが、知人の大学職員でこの学会に入会している人を何名か存じているためご紹介します。学会紀要のバックナンバーを見ると、大学教員が中心的に投稿されていますが、職員の方も投稿されている論文等が確認できます。

高等教育研究は、対象とする高等教育のシステムとしての複雑性や、問題としての多様性から、社会科学や人文科学、さらには自然科学にも及ぶ大きさと広がりをもっており、そのことがこれまで独立の学会の成立を妨げていました。しかし、変動の時代をむかえていっそう明らかになった高等教育に係わる諸問題とその研究の重要性を考えるとき、学問領域の違いをこえた研究者等の結集と交流をはかり、研究の理論的、方法的基礎を強化し、研究の一層の深化発展をめざすとともに、その研究成果の普及を図り、実践的、政策的課題の解決に寄与するために、学会の設立は重要な課題となりつつあります。


最後に紹介するのが大学評価学会です。2004年に設立されたそうですが、ちょうど機関別認証評価が学校教育法によって義務付けられた年からスタートしています。機関別認証評価は7年に1度受審することになっていますが、制度創設から8年目に入り、各認証評価団体においても評価基準を変更するなどして、新しいフェーズに入ってきているため、こういった学会から得られる知見は大変重要かと思います。

大学評価学会は、2004年3月28日、京都において設立されました。くしくも第三者評価(認証評価)が法的に義務づけられた4月1日の直前のことでした。設立大会の模様は、先に刊行された『21世紀の教育・研究と大学評価―もう一つの大学評価宣言―』(シリーズ「大学評価を考える」第1巻)に収められていますが、この1年の大学評価学会の歩みは設立大会の熱い雰囲気を継承・発展させるものであったように思います。

第109条 大学は、その教育研究水準の向上に資するため、文部科学大臣の定めるところにより、当該大学の教育及び研究、組織及び運営並びに施設及び設備(次項において「教育研究等」という。)の状況について自ら点検及び評価を行い、その結果を公表するものとする。
2 大学は、前項の措置に加え、当該大学の教育研究等の総合的な状況について、政令で定める期間ごとに、文部科学大臣の認証を受けた者(以下「認証評価機関」という。)による評価(以下「認証評価」という。)を受けるものとする。ただし、認証評価機関が存在しない場合その他特別の事由がある場合であつて、文部科学大臣の定める措置を講じているときは、この限りでない。
3 専門職大学院を置く大学にあつては、前項に規定するもののほか、当該専門職大学院の設置の目的に照らし、当該専門職大学院の教育課程、教員組織その他教育研究活動の状況について、政令で定める期間ごとに、認証評価を受けるものとする。ただし、当該専門職大学院の課程に係る分野について認証評価を行う認証評価機関が存在しない場合その他特別の事由がある場合であつて、文部科学大臣の定める措置を講じているときは、この限りでない。
4 前二項の認証評価は、大学からの求めにより、大学評価基準(前二項の認証評価を行うために認証評価機関が定める基準をいう。次条において同じ。)に従つて行うものとする。

他にも高等教育に関連する学会は数多く存在していると思いますが、職員の能力開発という視点で以上の4学会をご紹介します。どの学会にも特色がありますので、ご自身の関心に沿って入会を検討されてみてはいかがでしょうか。

*1:平成24年度第16回大学行政管理学会定期総会・研究集会に参加しました http://d.hatena.ne.jp/high190/20120911

*2:第三のカテゴリーとして大学アドミニストレータの確立を http://benesse.jp/berd/center/open/dai/between/2001/10/bet17806.html

*3:大学の経営と組織 http://gc.sfc.keio.ac.jp/cgi/class/class_top.cgi?2003_16052+

*4:日本学術会議協力学術研究団体とは?」(1)学術研究の向上発達を図ることを主たる目的とし、かつその目的とする分野における学術研究団体として活動しているものであること、(2)研究者の自主的な集まりで、研究者自身の運営によるものであること、(3)「学術研究団体」の場合は、その構成員(個人会員)の数が100人以上であることです。 http://www.scj.go.jp/ja/group/dantai/index.html