読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

桐蔭横浜大学法科大学院と大宮法科大学院が平成24年度からの統合を発表。法科大学院では初

high190です。
既にニュース等でご覧になっている方も多いと思いますが、桐蔭横浜大学法科大学院と大宮法科大学院が来年4月から合併するとの報道がありました。
法科大学院としては、既に姫路獨協大学法科大学院法務研究科が2011年度からの学生募集停止を発表しており、今後統合が加速する可能性もあります。


学校法人の桐蔭学園横浜市青葉区)と佐藤栄学園さいたま市大宮区)は8日、2016年度をめどに、傘下の桐蔭横浜大学法科大学院と大宮法科大学院を統合すると発表した。統合は全国で初。弁護士など法曹を養成する法科大学院は、司法制度改革の目玉として04年にスタートしたが、司法試験合格率が想定より低迷し志願者は減少している。再編の動きは今後強まりそうだ。
両校は12年度から統合に向けた具体的作業を進め、単位の互換や、それぞれの授業の受講を可能にする。大宮は12年度入学の学生を最後に募集を停止。最後の学生が4年間の課程を修了した後、桐蔭横浜に統合する。
統合後の名称は「桐蔭法科大学院」とし、大宮のキャンパスは閉鎖する見通し。教員数も削減。桐蔭横浜が大宮を吸収する形で経営を合理化し、生き残りを図る。
両校はいずれも04年度開校。大宮は第二東京弁護士会が設置・運営に協力し、学部を持たずに法科大学院単独の運営。桐蔭横浜は模擬法廷の設置などで知られる。
いずれも夜間授業を開講するなど、法学部以外の出身者や社会人経験のある人の法曹育成に力を入れていたが、10年の新司法試験合格率は桐蔭横浜が7.2%(6人)、大宮は10.1%(12人)で全国平均(25.4%)を下回った。
志願者は04年度は桐蔭横浜1022人、大宮1605人だったが、11年度はそれぞれ81人、96人に減少。同年度の入学者は桐蔭横浜38人(定員60人)、大宮27人(同70人)となった。大宮は設立以来、毎年1億〜3億円程度の赤字。桐蔭横浜は法科大学院単独の収支を明らかにしていないが「赤字が続いている」(蒲俊郎・法務研究科長)。
大宮の柏木俊彦学長は「両校は社会人出身者などの多様な法律家を育てるという理念が共通している」と説明。桐蔭横浜の蒲研究科長は「ライバル校が一緒になることで、これまで分散していた法曹志望の社会人を集め、効率的な教育ができるようになる」と話している。

両大学による共同声明文は以下のURLから参照できます。

報道発表を見ると、大宮法科大学院はキャンパスを閉鎖するそうですので、実質的に桐蔭横浜が大宮を吸収合併することになるようですね。
学校法人側から見ると、佐藤栄学園が不採算部門である大宮法科大学院の今後について、同じような状況にある桐蔭横浜側に教員の移動などを働きかけることで今回の合併に繋がったのではないかと思われます。
経営資源の集中を図ることで生き残りをかけるというやり方は理にかなっていますが、同時に法科大学院の制度自体に問題があるのではないか?という声があるのも事実です。大学プロデューサーのマイスターさんは、2008年に以下のようなエントリーを書いています。

法科大学院は、実務家教員を一定の割合でそろえる必要があるなど、経営のコストも高くつくと思われます。規模を抑え、成果を上げる戦略は、間違いではないでしょう。
もともと少数精鋭で丁寧な指導を行うのが法科大学院の教育イメージだったと思いますし。

適正な規模に縮小して効果の上がる教育を実践するということは、法科大学院が資格取得と直結した教育内容であるからには避けて通ることのできない道です。
法科大学院の数は平成23年4月時点で国公私立を合わせて74校*1ですが、今回の合併によって法科大学院間の合併が加速する可能性も大いにあるのではないでしょうか。