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Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

優れた研究成果ほど、若手研究者や外国人研究者が関わっていることが調査で判明

Diary Research

high190です。
科学技術政策研究所と一橋大学イノベーション研究センターでは、引用回数の多い論文は若手研究者や外国人研究者がチームに加入していることが多いことを初めてデータで実証したそうです。これは日本における今後の科学研究の体制に影響を与える調査結果になるかもしれません。


国内外で引用される回数が多い優れた科学論文ほど、「ポスドク」と呼ばれる任期付きの若手研究者や外国人研究者が多く参加していることが4日、文部科学省科学技術政策研究所と一橋大イノベーション研究センターの調査で明らかになった。研究チームの人材の多様性が成果の差に表れることがデータで裏付けられたのは初めてという。
科学論文の多くは、複数の研究者のチームによる成果だ。ポスドクは博士号を取った後、任期付きで研究に当たる若い研究者で、貴重な「戦力」となる一方、低収入で不安定な地位にあるとして4月、日本学術会議が政府に待遇改善を求めている。
調査は、01〜06年に発表された日本発の科学論文約45万本のうち、全世界で被引用回数が上位1%に入る「トップ論文」2906本と、その他の「通常論文」から無作為に選んだ約1万本を対象に、著者にアンケート調査した。
研究チームに外国人がいるのはトップ論文の48%に上り、通常論文の31%より高かった。ポスドクが筆頭著者というケースは、トップ論文の20%に対し通常論文は9%。特に生命科学系では、トップ論文32%、通常論文11%と差が大きく、若い研究者の活躍が成果を支えていることが明らかになった。
また、トップ論文の研究チームは、通常論文のチームに比べて論文数が約2倍と生産性が高く、特許出願や企業との共同研究、商業化など幅広い成果を多く生み出していることも分かった。同研究所は「若い研究者の参加など、多様性の高いチームを作ることが知的生産性と深い関係があることが分かった」と説明している。

調査結果の全文は下記リンクから閲覧可能です。

一部抜粋するとこんな感じです。

博士課程後期の大学院生やポストドクターは、研究の実質的な担い手として論文に大きく関与している。ポストドクターについては高被引用度論文産出群において筆頭著者として関与する比率が通常群より高い。

科学研究の大半が個人ではなくチームで遂行されるなか、専門分野、国境、組織を超えた研究チームの形成が、研究プロジェクトを実施する上で重要であることが示唆された。また、著者ではないが実質的に研究に参加した研究協力者、大学院生等が多数いることも明らかになった。

多様性の高いチームを作ることと知的生産性の間に深い関係があることを明らかにした意義は大きいと思います。もちろん、だからといってやみくもに多様性ばかりを追い求めてはいけないような気もしますが。高い成果を生み出すプロジェクトには、表に出てこない大学院生やポストドクターの力によって支えられているのですね。