Clear Consideration(大学職員の教育分析)

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京都大学が湯川秀樹博士のノーベル物理学賞受賞論文を公開

high190です。
湯川秀樹博士といえば、日本人として初めてノーベル賞を受賞した研究者として知られています。京都大学では京都大学のWebサイト上で湯川秀樹博士がノーベル物理学賞を受賞した際の手書き原稿及び印刷版を公開しています。公開は京都大学のOpenCourceWare上で行われています。

京都大は12日、湯川秀樹博士(1907〜81年)がノーベル物理学賞を受賞した論文の手書き原稿などを、大学のホームページで公開した。論文は英語で書かれており、公開は初めて。
手書き原稿などは、同大学基礎物理学研究所が所蔵している。公開は、社会貢献や学術振興のため教材や資料のネット公開を進めるプロジェクト「オープンコースウェア」の一環。 湯川博士が、49年にノーベル賞を受けた中間子理論に触れた論文「素粒子の相互作用について」は、リポート用紙で13枚あり、自ら書き直した跡も随所に見られる。同時公開された朝永振一郎博士(1906〜79年)からの手紙には、裏側に湯川博士による計算式の書き込みも残り、研究や思索を深めた軌跡がうかがえるという。

京都大は12日、ノーベル賞の対象となった英文論文の直筆原稿など、湯川秀樹博士関連資料のデジタル画像を、インターネットで公開を始めた。大学の知の結晶である講義資料などをインターネットで公開する「オープンコースウェア(OCW)」の一環で、「学生たちに学問への志を高めてもらいたい」という。
日本が誇る学術成果であり、戦後に人々を勇気づけた湯川博士の業績を世界に発信しようと企画した。湯川博士の最初の論文(学位論文)でもあった「素粒子の相互作用についてI」の手書き原稿(13ページ)や、湯川の終生の盟友だった朝永振一郎博士が、陽子や中性子をつなぐ強い力「核力」について計算結果を記し、湯川理論への大きな貢献となった手紙などを初めてまとめて公開。九後太一京大基礎物理学研究所教授の解説も掲載した。
九後教授は「すごい仕事は平易なものだが、湯川の論文も明解で易しく書かれている。学生が読むにはうってつけで、論文を学ぶことで、学生への励ましになるのではないか」と話している。

こうした大学が持つ資産を社会に対して公開することで、知識の共有と新たな創造を目指す。OpenCourceWareの取り組みとして非常に素晴らしいものだと思います。学生にとっても、偉大な業績を直接閲覧できるということは大きくプラスに働くことでしょう。京都大学の取り組みを受けて、東京大学はどうするのでしょうか。そのあたりの関係も気になるところです。