Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

大学設置認可制度の先行研究

※2023/11/26更新 国立公文書館「大学設置認可等に係る文書の決裁について〔取扱〕(昭和51年09月30日)」、「新制大学設置認可に関する基本要項」、「大学設置認可申請について(昭和23年04月07日・学校教育局長より公立私立専門学校長宛)」を追加

high190です。

職員人生の大きなターニングポイントが設置認可申請業務を担当したことでした。業務を通じて大学制度を幅広く実践的に学ぶことができましたし、大学設置基準に代表される関係法令を読み解く訓練にも繋がりました。業務自体は結構大変ですが、大学職員として学べることが多く、これからも学び続けたいです。実務的には以下の文部科学省関係資料に目を通すことが重要です。

そんな大学設置認可制度について、学術的な研究などはなされているのでしょうか。私自身の勉強も含めて、CiNii ArticlesとGoogle Scholarで先行研究を調べました。直接的に大学設置認可制度を扱わない大学評価等に関しても参考資料として掲載しています。今後、適宜追加するので、コメント等でお知らせいただけるとありがたいです。

また、「大学設置認可制度」についてはNIAD-QE Glossaryで定義の解説が日英語で公表されています。*1 *2その他、文部科学省が2012年に発行した"Higher Education in JAPAN"*3、"Quality Assurance Framework of Higher Education in Japan"*4などが参考になります。

政策形成過程

制度・事例研究

諸外国との制度比較

その他

質問主意書

今後も追加しますが、現時点で私が調べたリストです。
個人的には大学設置基準大綱化、準則主義など時系列での変遷を知ることができる塩野宏氏の「日本の行政過程の特色−大学設置認可過程(平成二十四年)を素材として」が最も分かりやすいと思います。この論文は2012年の大学設置認可において、田中真紀子文部科学大臣(当時)が大学設置・学校法人審議会の認可答申を保留にした点を、日本の行政過程の特色として設置認可制度を行政法の観点から述べたものです。なお、第181回国会の衆議院文教委員会、総務委員会及び予算委員会にて当該大学等の認可についての質疑が行われており、議事録が残っています。大学設置認可制度の政策形成過程の一端なので、脚注にリンクを掲載しておきます。*5 *6 *7
大学設置認可制度は、行政手続法との関連もあるため、関係情報も追加します。*8 *9
なお、大学設置認可制度に関係する内容は拙ブログでも以前に記事にしました。

high190.hatenablog.com

他の大学職員ブロガーも設置認可関係の記事を書かれています。いくつか参考として掲載しておきます。

www.daigaku23.com

kakichirashi.hatenadiary.jp

設置認可申請にあたっては設置形態によって手続きが異なるケースがあります。国立大学法人についての取り扱いは、以下の記事を参照されると良いです。

kakichirashi.hatenadiary.jp

設置認可申請と相補的関係にあるのが教職課程認定申請です。こちらの先行研究をまとめてくださっている方のサイトも併せてご紹介します。

note.com


その他、読みたいけれども読めていない書籍関係の情報です。

大学設置関係のコンサルティングを引き受ける企業・団体もあります。私自身はコンサルティングは使わずに、各大学が質保証システムを理解して教育を行う方がいいと思う立場ですが、どのようなサービスを提供しているのかはまとめておく必要があると思ったので、リスト化しておきます。

docs.google.com