Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

まずは大学に入ってから学習方法の指導を。そのために職員が持つべき能力とは

high190です。
文部科学省は大学の教育内容の改善状況調査結果を発表しました。7割の大学で、初年次教育として学生の学習方法に関して何らかの指導を行っているという結果が出たそうです。

文部科学省は3日、2006年度の大学の教育内容の改善状況調査の結果をまとめた。大学生活に円滑にとけ込ませるため新入生に基礎的な学習方法を教える「初年次教育」を実施している大学が全体の7割に達していることが判明。9月入学など4月以外の入学制度を学部段階で設けているのは全体の2割に当たる143校にとどまり、前年度より10校減った。
調査は昨年11―12月、すべての国公私立大(通信制大学と短大を除く)を対象に実施した。
初年次教育は、リポートの基本的な書き方や図書館での文献の探し方など、大学生活の基礎を教える。学ぶことの意味を考えさせるなど意欲向上を図るケースもある。実施は国立67校、公立45校、私立389校の計501校で、全体の71%に達した。

大学進学率が50%近くになり、高等教育がユニバーサル段階に入っている現状からすると、入学してくる学生の学びに対する意欲や大学に対する考え方もこれまでとは異なってきます。入学してきた学生に対して、一律な指導ではなく、個々の条件に対応したきめの細かい教育体制を構築することが必要になります。

初年次教育の実施についても、個々の大学ごとに学生の特性に合わせたものでなければなりません。そういった意味では「別の大学が実施しているから」といった旧来の考え方ではなく、現状の学生情報を統計的に分析し、都度最適な学生支援体制へ移行できるような体制作りが必要になると私は考えます。

大学職員もこれまでどおりのやり方ではなく、状況に合わせて業務のあり方を常に変革していける力がなければ、大学の教育体制に貢献することができなくなってきます。それぞれの職員が何かスペシャリティを身に付けて「自分にしかできない仕事」をできるようになることが必要ですね。

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