Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

一橋大学が関西で公開講座を実施

high190です。
昨年あたりから慶應義塾大学が大阪にサテライト・キャンパスを設立したり、早稲田大学が模擬講義を関西で実施したりと東京の大学の目が関西方面に向いていることを伺わせるニュースが多いです。
そんな中、国立大学法人一橋大学が関西での定期公開講座をスタートさせました。今後の関西進出に関しての足がかりにしたいとのこと。

一橋大学(東京都国立市)は22日、関西で初めてとなる定期公開講座「関西アカデミア」を大阪市内で開き、約200人が集まった=写真。入学志願者数が大学の定員を下回る「大学全入時代」を前に、関西での学生獲得を目指し、定期的にシンポジウムなどを開く。
関西では、慶応大が年内に大阪市内に拠点を設けるなど、首都圏の大学の進出が相次いでいる。杉山武彦学長は「一橋大には理工系や医学部がなく、地味だと指摘されることもあったが、関東以外の地域との連携を進めたい」とあいさつし、意気込みを示した。
講座は関西の活性化策がテーマで、一橋大の小川英治教授が基調講演し、「世界最大の消費地になるアジアに近い関西の優位性を生かす必要がある」などと強調した。パネル討議では、関西国際空港会社の村山敦社長や関西大の白石真澄教授らが「東京をライバル視せず、アジアに目を向けるべきだ」などと訴えた。

ついに首都圏の国立大学も関西へと進出することに…もはや優秀な学生を確保するには、全国に目を向けていかなければならなくなっています。ただ、サテライト・キャンパスを開講したりするとどうしてもお金が掛かってしまいますので、定期的な公開講座であれば事務所を構える必要もないというのが今回の一橋大学の考え方ではないでしょうか。
初回の参加人数、200人。これを成功と取るかアピール不足だと取るかで関西進出の成否が分かれてきそうですが。個人的には、一橋大学ならもう少し人を集められるのではないか?と思ったりします。
例えば、Googleで「関西アカデミア」を調べると検索結果に表示されるのはニュースや個人ブログなどの記事が中心です。お金はちょっと掛かりますが、関西アカデミアのWebサイトを作って参加登録フォームを設置するとか、メールマガジンを定期的に発行するとか、Google Adwordsに登録してみるとか、色々できることはありそうです。むしろ、プロモーション活動にそこまで力を入れなくても200人集まるのが凄いと思いますが。
国公立大学ではこうした取り組みをしているところはまだ少ないですので、是非成功例となることをお祈りしています。

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