high190です。
大学職員として勤めている人が一度は聞いたことがあると思われる「マル合教員」という言葉について、今日は取り上げます。これは大学院で研究指導(具体的には修士論文又は博士論文の指導)を行うにあたり、大学設置・学校法人審議会で研究指導を担当して相応しい業績を持つ教員のことを指します。
- 3.大学の設置等に係る提出書類の作成の手引(令和9年度開設用)【記入要領2 (155~227ページ)】
(P.208)「過去の大学設置・学校法人審議会における判定結果及び補正理由」の欄は,当該教員が過去に大学設置・学校法人審議会(旧大学設置審議会を含む)で受けた判定(不可,保留及び「適格な職位・区分であれば~」等の判定は除く)を記入するものです。したがって,いわゆる「学内
審査」については対象となりません。なお,履歴書(別記様式第 4 号(その 1))の「職歴」欄にも同じ内容が含まれることになりますので,整合性に留意してください。
①判定を受けた年月,大学名,職名,区分(基幹・その他の別)及び授業科目名を記入してください。なお,オムニバス科目については,授業科目名の下部に担当回数(例:全 15 回のうち 3回分を担当した場合は「3 回/15 回」と記入)及び担当部分の概要を記入してください。
②大学院の前判定を記入する場合は,授業科目名と併せて,M又はDの別及びマル合,合又は可の別を記入してください。
(P.215)届出の場合には,研究指導を担当する専任教員については,「研究指導(Mマル合)」、「研究指導補助(M合)」の別を記入してください。
簡単に説明すると「Mマル合」は博士前期課程(修士課程を含む)で修士論文指導を行えることが認められた教員、「Dマル合」は博士後期課程で博士論文指導を行えることが認められた教員ということになります。これは大学院を設置している大学で、設置認可申請時以外にも学内的に使われている言葉だと思います。
では、そもそも何故「マル合教員」という言葉が使われるようになったのでしょうか?ここを史料的に解明を試みたいというのが今日のブログのお題です。
- 「大学院審査会各分科会 主査及び副主査合同会議申合せ事項」,孔版,戦後教育資料,国立教育政策研究所
申し合せ事項
- 教員組織審査の判定については、合(合格)又は不(不合格)の別を記入し(インキを使用のこと)、特に有力な者には更に⚪︎印を附する。
- 教員組織審査の判定の結果は、各分科会主査がその原本を保持し、その写しについて、主査の捺印を受けたるものを文部省において保管する。
- 教授一、(指導教授)で担当し得る学生の最大数は十名とする。但し、自然科学の場合にあっては七名とする。
上記の資料を参照する限り、大学院における教員組織審査の判定に際し、合格・不合格を記入する際、「特に有力な者には更に⚪︎印を附する」とされています。この申し合せ事項が1951年の大学設置委員会大学院審査運営委員会において「修士課程をもつ大学院審査会運営委員会申合せ事項」として決定されています。
- 「修士課程をもつ大学院審査会運営委員会申合せ事項」
- 「大学設置委員会官制」
もう少し絞り込みは必要ですが、1951年の「大学院審査会各分科会 主査及び副主査合同会議申合せ事項」が現在の大学設置認可制度にも生きているというのが、私なりに調べた結果です。この辺りの歴史的事実が制度化していった過程は今後も調べたいと思います。
