Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

京都大学が学内環境税を導入

high190です。
昨年の8月にお知らせした京都大学学内環境税導入についてですが、学内での決定を経て詳細が発表されました。

京都大学は21日、省エネルギーと温暖化ガス排出量削減を進めるため、2008年度から「環境賦課金制度」を設けると発表した。光熱費などエネルギー消費量に応じて、京大の学部や大学院研究科、研究所などに対して、“環境税”の賦課金を徴収。これを原資に、毎年2億4000万円を省エネ対策に充てる。全国の大学で初の取り組みという。
年に1度、学内の約50部局を対象に電気やガスの消費量を集計。電力1キロワット時当たり0.5円、都市ガス1立方メートルで1.5円、水道は1立方メートルで10円の賦課金を徴収する。
京大では二酸化炭素(CO2)排出量が年々増え、06年度は1990年度の2倍に当たる約13万トンを排出した。「賦課金での意識改革を求めたい」という。

他大学に先駆けて実施するというところはさすが京大です。この取り組みの凄いところは省エネによる大学の運営コスト削減と社会貢献を両立していることです。また、一人ひとりの心がけに訴える部分もありますので組織風土に与える影響も大きいのではないかと思います。(環境への取り組みって、結構個々人の気持ち次第なところがあると思います)
ルール作り・運営は大変だと思いますが、賦課金を原資にした省エネ対策費は2億4000万円になるそうですから効果は非常に大きいです。各部局が使用する一定の二酸化炭素量使用に対する賦課金を、最終的には大学の省エネルギー改修に充てることで大学全体の省エネ化を図る訳です。個々の部署に対して「二酸化炭素量を減らして下さい!」と言うようでは、部署ごとに偏りがでますし、改善に時間が掛かります。それよりももっと最適化して大学全体の省エネ化に繋げられるやり方があるということです。
とても画期的な取り組みですが、逆にこれだけ節約が可能だということは、他の大学でも本腰を入れれば運営費をまだまだ削れるということです。学内環境税については、京都大学単一の取り組みとしてではなく、日本の大学全体に広めていくためにも導入に関する情報も是非公開してもらいたいですね。

これは京都大学の取り組みとは直接関係ないのですが、UAEでは全く二酸化炭素を出さない都市を建設する計画があるそうです。

さらに、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology、MIT)と共同で、未来のエネルギーを研究する大学も設置されるという。

ここのところ、産油国は次世代エネルギーの研究に力を入れています。環境対応は全世界レベルで実施していかなければならない問題ですから、日本においても取り組みが深化していかなければなりません。

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