Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

会津大学が在学生・卒業生の情報を網羅した就活支援データベースを構築

high190です。
会津大学が在学生・卒業生の情報を網羅した就活支援データベースを構築するそうです。これは、平成22年度文部科学省「大学生の就業力育成支援事業」に採択された「起き上がりKOBOSHI」プロジェクトの一環として行われるものです。


会津大学は学生の就職支援などに使うデータベースを構築し今秋から本格運用する。相談に活用するほか、学生や卒業生も閲覧できるようにする考えだ。就職活動が厳しさを増す中、支援拡充につなげる。
データベースには学生の学業やサークル活動の状況、就職相談の面談歴などの情報を登録。卒業後も就職先などの情報を追加していく。卒業生にも在学時の研究内容や、就職先での担当業務などを聞き取る。
4月から学生の就職相談に応じるキャリアデザインコーディネーターが閲覧できるようにし、10月から就職支援に本格活用する。順次、学生や卒業生も閲覧・利用できる仕組みを整える。例えば学生がOB訪問の相手を探したり、卒業生が人材発掘に使ったりする用途を想定している。
会津大はコンピューター専門の大学で英語での教育に定評がある。在学者数は約1100人。1993年の開学以来、平均99%の就職内定率を維持してきたが、2009年度の卒業生は92.5%に低下。10年度はさらに5ポイント程度下がる見通し。「企業の求人は多くあるが、採用選考が厳しくなっている」(学生部)という。

会津大学では学部での卒業論文も英語で書かなければならず、就職率が高い分、留年者もそれなりにいるようです。卒業を厳しくすることで企業からの評価を得ていると言えます。
IT業界に就職する学生が多いでしょうし、OBの情報を大学側が一括して持つことで在学生に適切なアドバイスができるようになりますから、メリットは大きいでしょう。
プロジェクト名は「起き上がりKOBOSHI」だそうです。プロジェクトに関するニュースが会津大学のWebサイトに掲載されています。

構築するデータベースはキャリアデザイン・コーディネーターが閲覧できるようにして、就職支援に役立てるそうです。
現在、キャリアデザイン・コーディネーターは公募中のようです。学生の就業支援だけではなく、講義の担当や新カリキュラムの調整なども含めた職務内容になっています。

卒業生を大学の資産として位置づける動きは色々な大学で見られるものですが、手間がかかることもあってか、なかなか情報の集約化が難しいのではないでしょうか。
専属の職員を配置し、就職支援と連動する形でデータベースを構築するのは適切なやり方だと思います。(そうしたいが予算面で厳しい・・・という大学も多くあると思います)