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Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

イェール大学シンガポール校の開設に向けた準備が進行中

high190です。
アイヴィー・リーグの一角であるイェール大学では、シンガポール国立大学からの提案を受けて、イェール大学NUS大学を現地に開校することを検討しているそうです。


アイビーリーグ(米北東部の名門私立大8校)の一校、エール大学は、シンガポール国立大学(NUS)からの提案を受けて、シンガポールに教養大学「エールNUS大学」の開校を検討している。
東南アジアに位置するシンガポールは資源に恵まれていないが、名門大学の名声を利用することで、アジアでの教育の中心地としての地位を確立しようとしている。シンガポールは、その取り組みの一環として、米マサチューセッツ工科大学(MIT)や米デューク大学、英インペリアル・カレッジ・ロンドンといった大学と提携している。
エール大学がウェブサイトで発表した声明によれば、設立と運営の費用はNUSとシンガポール政府が負担し、エール大学にコストは発生しない見通し。
両校は今月10日、拘束力のない覚書に署名した。2013年秋までの開校を目指し、まずは1000人程度の学生を受け入れる方針だという。
エールNUS大学は、エール大学にとって初めての海外の分校となるかもしれない。エール大学は新設校によって、アジアでの影響力を高められるとしている。
エール大学は声明で「エールの名前を冠した新しい大学がシンガポールで創設されることは大きな一歩となるだろう。エール大学は、シンガポール政府が新キャンパスに対し、多大な投資を行うこともいとわないと確信している。この問題が年内か来年初めまでに解決されることを期待している」と述べた。
シンガポール政府は、運営費の助成金支給に対して非常に寛大な割り当てを承認したという。金額については明らかにしていない。授業料は、米国の州立大学と同水準となる見通し。
エール大学のウェブサイトによれば、クリントン元大統領やブッシュ前大統領など過去7人の米大統領のうち4人が同校出身。また、米俳優のジョディ・フォスターメリル・ストリープも卒業生に名を連ねている。

教育研究で実績のある大学を誘致し、地域の教育力を高めようとする戦略はアラブ首長国連邦でも採用しています。

コストはシンガポール側が持つため、イェール側としては教育研究に関してどれほど運営助成が得られるのかという点がポイントになると思います。どうやら助成の規模自体は問題なさそうなので、設立に向けての障害はほぼクリアされていると理解していいのではないかと思います。

ちなみにシンガポール国立大学は、東京大学京都大学国際教養大学慶應義塾大学などの大学と提携を結んでおり、先日発表されたTimes Higher Educationの世界大学ランキングで全世界で34位、アジアで4位にランクされている、アジアの中でも存在感のある大学です。上記記事中で「教養大学」と表記されていますが、リベラルアーツ専門の大学で大学院は置かないのかも知れません。いずれにせよ、こういった大学がアジアでできることは歓迎できる半面、日本の大学にとっては強力なライバルがまたひとつ増えたと考えるのが妥当なのではないでしょうか。