Clear Consideration(大学職員の教育分析)

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立教セカンドステージ大学がスタート

high190です。
立教大学が今年から始めたシニア向けの立教セカンドステージ大学。開始以前から朝日新聞Webサイトで特集が組まれるなど、世間の注目を集めています。

立教セカンドステージ大学が注目されている(2007/11/07)

4月4日に入学式が行われたそうで、第二の大学人生を送る96人が入学したとのこと。

団塊の世代を中心に50歳以上を対象にした立教大学の「セカンドステージ大学」が新設され、弁護士や元町議、元看護師ら多彩な経歴の一期生が入学した。講師陣は評論家の立花隆氏らで、超高齢化社会の生き方に関する講義をそろえた硬派なカリキュラム。少子化時代に大学がシニア層ターゲットの講座に知恵を絞るなかで注目されている。
東京・池袋の立教大キャンパスの礼拝堂(チャペル)で4日に行われた入学式は家族連れの姿も目立った。定年後など人生の「セカンドステージ」へ、「学び直し」「再チェレンジ」をキーワードに立教大が生涯学習の場として新設。1年間の受講で、希望者はさらに1年の専攻科もある。
原則、50歳以上が対象で170人の出願があり、志願理由など書類選考や面接を経て96人が入学した。平均は60歳で85歳の受講生も。経歴はホテル開業経験、倉庫業、中華料理的経営、手話通訳…。
一期生の菊地俊明さん(62)は製薬会社で研究開発をしていた。定年後の今は「日本語教師のたまごで、外国人ビジネスマンらに日本語を教えたい」といい、「文系の教養などインプットしたい」と話す。
元栃木県野木町議、小杉史朗さん(65)は町長選に出馬して敗れた。「地方自治は住民と企業、役所の連携、ボランティアを含めた『協同』が必要。高齢化時代の町づくりなど学び直して再挑戦したい」。
大学紛争の時代を過ごしたという音楽関係の会社勤務の男性(59)は「学生のときやり残した。魅力的な教授陣とともに考え、社会貢献などリタイア後に生かしたい」と話す。
半数は女性受講者。元情報会社勤務の石川直子さん(64)は「自分の時間が初めてできた。仲間と学びたい。高齢の親がいて介護の問題は身近で講義科目も興味深い」。
定年後にボランティア活動などをしようとしても、会社時代の発想や人間関係から抜けきれず悩むケースがあるという。
カリキュラムについて笠原清志副学長らは「“会社の垢(あか)”を取ってもらうよう工夫した」ともいい、「立花氏のアイデアだが卒論として自分が過ごした時代を整理し『自分史』を書くような取り組みもしたい」と話す。
講義は『自分のからだと言葉を取り戻す』『超高齢化社会論』『セカンドステージとリーダーシップ論』『死生観を学ぶ』など高齢化社会や生き方に関連した特徴的な科目がそろう。
立花隆氏は、大学案内に「60代は人生のゴールデンエイジ。私自身、60歳を過ぎてから急にいろんなものが見えてきた思いがする」とコメントを寄せており、『現代史の中の自分史』と題した講義を担当する。
また元NHKアナウンサーの松平定知氏が担当する歴史上の人物のセカンドステージを検証する講義など興味深い。
大橋英五学長は式のあいさつで「多様な人たちが集って立教大の文化をつくっていきたい」と大学活性化の面でも受講生へ期待を述べた。生涯学習の新たな試みとして米国大学を含めた他大学から問い合わせがあるという。

96人という人数を聞いて、私は「あれ?結構少ないな」と思いました。志願者が170人で入学者が96人なので、合格率は約54%と少し低め。立教セカンドステージ大学のアドミッションポリシーは結構厳しく設定されているんですね。
生涯学習の新しい形として注目されているだけに、今後の動きも含めて気になります。

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