Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

進学塾の買収にみる組織文化の融合

high190です。
私立学校間の合併・統合が進んでいますが、その流れは予備校業界にも波及しているようです。ベネッセ・コーポレーションは東大受験の名門として知られている鉄緑会を傘下におさめることを発表しました。学習塾を傘下におさめることで、シナジー向上を狙いとしています。

ベネッセコーポレーションは3日、難関大学専門の進学塾である鉄緑会(東京)の株式の8割を取得し傘下に収めることで同社と合意した。買収を機に鉄緑会の地方進出やインターネットでの遠隔教育などで地方の受験生の取り込みを狙う。少子化が進むなか、ベネッセは主力の通信教育「進研ゼミ」の利用者数が減少傾向にあり、相乗効果を出せる学習塾などのM&A(合併・買収)を加速している。
ベネッセは子会社化後も鉄緑会の現校舎を存続する。12月下旬に鉄緑会の経営陣から株式を取得。今後、鉄緑会の管理部門などに社員を数人派遣する予定だ。買収価格は明らかにしていない。
鉄緑会は東京と大阪で各1校を開設。生徒数は約4700人で、難関大学に高い合格率を誇る。ベネッセによる買収を機に東京、大阪以外への進出を検討するほか、ベネッセは東大・京大受験生向けの教材作成に鉄緑会のノウハウを活用する。ベネッセ傘下の英会話教室、ベルリッツと鉄緑会との協力で米ハーバード大や英オックスフォード大など海外名門大学の受験・留学の支援事業にも乗り出す。

鉄緑会の名称は残すのでしょうか?今回の買収では鉄緑会の持つ教育ノウハウを全国に拡大し、さらに海外大学受験の支援事業にも乗り出すとあります。しかし、これまで小規模・地域限定で効果を上げてきたものを、全国に拡大することで質の維持はどうでしょうか?買収の効果がどの程度出るのか、興味深いところですが、元々のやり方が大きく異なる組織を傘下に入れた場合、自組織との融合が図れるかどうかが成否の分かれ目となりそうです。*1

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*1:どうやら社名はそのまま残すようです。 http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200712040031a.nwc